COVID-19は糖尿病の新しい症例を引き起こすのか

2020年6月22日（ヘルスデイ・ニュース）- コロナウイルスの大流行の初期、医師たちは、糖尿病患者がCOVID-19感染による深刻な合併症を発症するリスクが高いことを学びました。

彼らが暫く気が付かなかったのは、新型コロナウイルスが以前に血糖病にかかったことのない人に糖尿病を引き起こすかもしれないということです。

COVID-19と糖尿病がどのように相互作用するかを正確に把握するために、17人の主要な糖尿病専門家の国際的なグループが『CoviDiab Registry』と呼ばれる新しいグローバル・レジストリ（国際登録）を通じてデータを収集することを発表しました。

「これまでの証拠から、糖尿病とCOVID-19の間に相互作用があることは明らかです。糖尿病は重度のCOVID-19の症状と関連しており、逆に、COVID-19は既存の糖尿病の重度の症状と関連しているため双方向に関係があります。」

と研究の筆頭著者である、フランチェスコ・ルビーノ博士は述べました。

彼は英国のロンドンにある、キングスカレッジロンドンで代謝および肥満手術科の教授を務めています。

「これらの観察の予備的性質のために、我々はより多くの証拠を迅速に収集し、ウイルスが実際に糖尿病を誘発するかもしれないという懸念を確認、または、払拭するために国際登録を開始しました。」

と彼は説明しました。

ルビーノ博士は、COVID-19がどのように糖尿病を引き起こすのかはまだ明らかではないと述べました。

彼は、既存の糖尿病を悪化させたり、既に糖尿病であることを明るみに出す可能性がある既知のストレス反応があると述べました。

COVID-19に使用される治療法のいくつかは、血糖値を上昇させることが知られているため、それも役割を果たす可能性があります。

過去の研究では、SARS（重症急性呼吸器症候群）の原因となるコロナウイルスが急性型の糖尿病を誘発するように思われることも示されています。

そのウイルスはまた、糖尿病に関与する主要な臓器である膵臓を直接、損傷しました。

JDRF（旧少年糖尿病研究財団）の研究担当副社長であるサンジョイ・ドゥッタ氏は、COVID-19が糖尿病につながる可能性のある方法がいくつかあることに同意しました。

「ウイルスの引き金となる考えは、1型糖尿病に関連付けられていますが、確かに証明されていません。非常に多くのウイルスと非常に多くのウイルス感染症があり、幸いにも1型糖尿病の人の数ははるかに少ないのです。」

と彼は述べました。

ドゥッタ氏は、急性糖尿病を引き起こす可能性のある血糖値の不均衡を引き起こす可能性のある他の経路が体内にあると説明しました。

彼は、血糖値が制御されれば、このタイプの糖尿病は治まるかもしれないと述べましたが、それはまだ不明です。

レジストリがデータを収集し、2つの条件が互いにどのように影響するかをよりよく理解する一方で、人々が実行できるいくつかの役立つことがあります。

「糖尿病があると、COVID-19 感染症の重症化や、糖尿病自体による合併症のリスクが明らかに高まります。」

とルビノ氏は述べました。

つまり、糖尿病患者にとって感染を回避することがさらに重要です。

ルビノ氏は、感染症にかかるリスクを軽減するために、糖尿病の人々は注意深く、手洗い、ソーシャルディタンス、マスクの着用などの公衆衛生のアドバイスに従う必要があると述べました。

糖尿病の人は自分の血糖値にもっと目を向けるべきです。

血糖値が必要以上に高い場合は、医師に連絡してください。

糖尿病の治療方法を調整する必要があるかもしれません。

さらに、定期的に血糖値をチェックすることで、COVID-19感染症を発症して気づかない場合に、深刻な糖尿病の合併症を回避できます。

糖尿病前症と診断されている場合、または肥満などの状態が原因で糖尿病を発症するリスクが高い場合は、健康的なライフスタイルを維持するための対策が糖尿病を予防するために、これまで以上に重要になる場合があります。

感染しないために公衆衛生ガイドラインに従うことは、前糖尿病と糖尿病のリスクが高い人々にとっても重要です。

COVID-19と診断されたものの、糖尿病ではない場合は、糖尿病を示す可能性のある症状の突然の発症に注意してください。

これらには、のどの渇き、頻尿、非常疲れやすい、視界のぼやけ、乱視などがあります。

これらの症状は、緊急の医療処置を必要とする糖尿病の合併症を示す可能性があるとルビノ氏は述べました。

ドゥッタ氏は、糖尿病、特に1型糖尿病の家族歴があることがわかっている場合は、糖尿病を発症するリスクが高いため、医師に知らせることを推奨しています。

COVID-19感染中に糖尿病を発症し、その後、改善した患者であれば、糖尿病のリスクが正常に戻るのか、それとも長期間にわたってより高い状態が続くのかは、まだわからないようです。

「COVID-19の治療中に糖尿病を患っていた患者は、感染後に糖尿病が回復したとしても、糖尿病のリスクが高くなる可能性があると思われますが、もっと調査が必要です。」

と彼は説明しました。

ルビノ氏は、COVID-19感染中に糖尿病にかかった人に対して、長期間、モニターを行い、血糖値に何が起こるかを監視する必要があると述べました。

また、この結果を共有するために世界中のどの医師もグローバルレジストリにアクセスでき、COVID-19と糖尿病の関係について理解を深めることを勧めています。

この新しいレジストリ情報は、最近、ニューイングランドジャーナルオブメディスン（a letter in the New England Journal of Medicine）のオンライン版で公開されました。

【以下のリンクより引用】

Healthday