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JapanRx / 避妊薬のにきびへの影響

避妊薬のにきびへの影響

にきびに及ぼす影響となると、すべてのホルモン避妊薬が同じではないと、研究者らは述べました。

サンディエゴにあるクロロジーメディカルグループのデビッドロッシャー博士と彼のグループによる大規模なレトロスペクティブ研究によると、デポー注射、皮下インプラント、およびホルモン子宮内避妊器具がにきびを悪化させる一方で、膣リングや複合経口避妊薬(COC)は、それを改善する傾向がありました。

The Journal of Drugs in Dermatologyのオンラインでの報告書の中で、研究者らは、避妊のクラスの間には、他の統計的に有意な差はなかったと述べました。

COCカテゴリの中での分析は、にきびをきれいにするのに最も効果があったのは、ドロスピレノン(商品名:ジアンビ、ロリナ、ニッキ、オセラ、サイエダ、ベスチュラ、ヤスミン、YAZ、ツアラー)で、それに続き、ノルゲスチメート(オルト - シクレン、トライスプリンテック)そして、デソゲストレル(ミーセット、デゾゲン)、それに続いてレボノルゲストレル(プランB)と、ノルエチンドロン(エイゲスチン、ノルテイト、ノルテン)です。

COCにおける三相性プロゲスチンの投与量の存在は、にきびの削減にプラスの効果がありましたが、エストロゲン投与量の変化はありませんでした。
「我々の結果は、ドロスピレノンを含むのCOCは、ノルゲスチメートを含むものよりも優れているとした[2102]コクラングループの知見と一致していっます。」と著者らは記しています。
「さらに、我々の結果は、ドロスピレノン錠剤がノルエチンドロン錠剤およびレボノルゲストレル錠剤よりも優れており、どちらもノルゲスチメート錠剤、とデソゲストレル錠剤より優れているといった、より詳細なヒエラルキーを示しています。これらの知見はまた、COCを含むデソゲストレル対ノルゲスチメートの間で、ニキビに対しての効果に有意な差は認められないとした、2014年の研究と一致しています。

研究では、2,147人の一連の​​女性患者の医療記録からの非識別情報を分析しました。
全員が、2014年3月から2015年5月に行ったにきびについての電話相談時にホルモン避妊薬を使用していました。また、彼女達の平均年齢は24.9歳でした。
レボノルゲストレル放出型子宮内避妊システム(IU​​Ds)は、最も一般的に使用されるプロゲスチンのみの避妊薬でした。その次に、最も一般的に使用されていたのは、エトノゲストレル皮下インプラント(インプラノン、Nexplanon)で、それに続き、メドロキシプロゲステロン筋肉内デポー注射(デポプロベラ)及びノルエチンドロンの錠剤でした。

COCは、異なるホルモンの複数の組み合わせで構成された最も一般的な複合避妊でした。ノルエルゲストロミン及びエチニルエストラジオールからなるエトノゲストレルとエチニルエストラジオールまたは皮パッチからなる膣リングは、ホルモン避妊の少なくとも一般的に使用される形態でした。

「これは、にきびの治療を希望する患者に特化したグループの調査であるため、ホルモン避妊薬の使用分布は米国の全体的な利用率の代表的なものではない可能性が高いです。」と著​​者らは認識しています。

各患者は、使用中の避妊薬のニキビ治療に対しての効果について、製品はほとんど効果がないか、にきびを悪化させてしまっているか、少し効果があるのか、または、大幅な効果があるのかどうかについて、評価するように依頼されました。
この分析は、50人以上の患者で使用されている避妊薬にのみ行なわれました。

例えば、オルソ・トリサイクレンのような、三相性でステップアップするプロゲスチンの用量は、オルトサイレンのようなモノラルプロゲスチンの用量
よりもニキビの抑制には良いと思われました。
後者ではピルの活性段階では、プロゲスチンの投与量には変化はありませんでした。

研究者にとってはこの違いは、大変有意でした。彼らは、また、異なるプロゲスチンの種類の効力が幅広いバリエーションであるため、分析することができなかったことを言及しました。

可能な説明には、単相ピルに対し、三相性のピルがより厳密に、通常のホルモンの変動を模倣する、もしくは、研究中の三相性ピルはプロゲスチンの累積量が少なかったという事実が含まれると、ロッシャー博士らは提案しました。

「科学文献には同様の比較が見つかりませんでしたので、さらなる調査の結果がこの発見を確認するために必要とされます。」と彼らは述べました。

銅放出型IUDは、研究に含まれていませんでした。
この長時間作用型可逆避妊薬には、ホルモンが含まれていないので、にきびに影響を与える可能性は低いためだと研究者らは言及しています。

銅放出型IUDとレボノルゲストレル放出型IU​​Dを比較した彼らの2012年の研究では、前者はニキビの増加に繋がり後者は増加がなかったことを示したことを指摘しました。

「したがって、銅放出型IUDは、長時間作用型可逆避妊を望む患者には良い選択かもしれませんが、にきびを心配している人の患者のためには良い選択とは言えません。」

 

(記事元) http://www.medpagetoday.com/OBGYN/GeneralOBGYN/59113