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JapanRx / 遺伝子変異が統合失調の原因である可能性

遺伝子変異が統合失調の原因である可能性

統合失調患者は米国で240万人いるとされており、その原因の詳細は分かっていません。
過去の研究では遺伝子に関係しているとされていましたが、現在ニューヨークにある コロンビア大学医療センターの研究者がその原因となるものを特定しました。

コロンビア大学医療センターの生物学、生理学、細胞生物物理学の教授であるジョセフ・ゴゴス氏と研究チームはジャーナル誌Neuronにおいて研究を発表しました。

統合失調症は妄想や幻覚、異常な考えや行動を引き起こし、16歳から30歳までの間に一番発症しやすいようです。
統合失調症の原因は詳しく分かっていませんが遺伝性の病気であることが分かっています。
人口の1%が発症し、親や兄弟など1親等に症状を持っている場合に約10%の確率で発症します。
これまでの研究では統合失調症の発症に関連すると思われる個々の遺伝子の探索に焦点を当てていましたが、新しいハイスループット(高処理技術)によりDNA塩基配列決定がより便利になり どの遺伝子の組み合わせが統合失調を引き起こすかを特定できるようになりました。

この新しいDNA塩基配列決定技術により231人の患者のゲノムと症状を持っていない患者の両親を分析がされました。
タンパク質コード化を担っている人間ゲノムのextomeに焦点を当て調査しました。
その結果、統合失調患者とその両親のDNA配列データの比較において 過剰な機能低下を起こす遺伝子の変異が発見されました。
これらの変異は異なる染色体間で見られることがありますが、これらの変異は統合失調患者に見られましたが、その患者の両親には見られませんでした。
また、親から受け継がれた統合失調症患者の遺伝子変異の多くは 機能低下を引き起こすタイプであることが分かりました。

研究チームは遺伝子変異に対するの耐性の低い遺伝子ではより機能低下が一般的であることを発見しました。
また、配列データの詳しい調査の結果により機能低下がSETD1Aと呼ばれる遺伝子で起こっており、SETD1A遺伝子は統合失調の発症に重要な役割を果たしていることが分かりました。
SETD1Aはクロマチンの役割を果たしているとされています。クロマチンはDNAのサイズを小さくすることで細胞内に収まるようにするものです。
他の研究によると神経発達障害と精神障害でSETD1Aが頻繁に起こるようにクロマチンでの遺伝子への損傷が発生していると報告されました。

CUMCで精神医学の教授をしている共著者のマリア・カラディオール博士はこれらの調査結果はが統合失調症の遺伝率と発症の根拠となる遺伝的メカニズムを定義するのに役立っていると述べました。
健康な親から継承した遺伝子ダメージの蓄積により統合失調症の発症リスクにつながるだけでなく、深刻な病気発症リスクも引き上げます。
ゴゴス博士はチームの調査結果が統合失調症の早期発見と新しい治療につながる可能性があると述べました。

研究チームはより詳しいDNA配列決定の研究を実施するとし、 この研究により統合失調発症に関連している遺伝子を特定することができるだろうと考えられています。

以下のサイトより引用
http://www.medicalnewstoday.com/articles/277473.php