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運動と学習能力の改善との間のメカニズムの解明

「マッスルメモリー」- それは、言われているだけではなく実在するようです。

反復運動は運動技能学習能力を改善します。そして、研究者達は現在、その過程を支える分子経路を特定しています。

この研究チームは7月3日、アメリカ科学振興協会(the American Association for the Advancement of Science)の
協会誌『Science Advances』において論文を発表しました。  

中国・広州にある済南大学の准教授リー・ザン博士が率いる研究チームは、マウスにおいてラパマイシン(mTOR)機構経路を標的とすることに
焦点を当てました。

他の科学者によって行われた以前の研究では、運動がいかに学習能力を改善するのに役立つかを理解するための潜在的な鍵として、
分子システムを識別しましたが、正確な機能は特定できていませんでした。

「mTOR経路はすでに学習と記憶プロセスに関与していることが知られています。運動トレーニング後に脳内ではmTORが活性化されていることを示す
研究報告もあります。」
と、ザン博士は述べています。彼は、広州再生医療健康研究所の研究員でもあります。

「しかしながら、我々の研究では、初めて、運動により活性化されたmTORが脳神経のスパイン形成の強化と神経可塑性に必要であるという
直接的な生体内の証拠を示しています。」

神経細胞は長い体の一端に手のような突起を持っています。手が伸び、指が広がり、他の細胞からの信号の着信を待ちます。
その指は樹状突起と呼ばれ、うっすらとした棘である脊髄(背骨)を成長させます。
背骨は肉体的で、迅速な対応が必要な特定の着信信号の記憶を保存します。

それは、すでに遭遇している病原体を素早く撃破するために体が抗体を作り出す方法に似ています。

ザン博士と研究者らは、1日1時間、トレッドミルでマウスを3週間運動させ、同じ時間トレッドミルに座ったままでいたマウスと、
脳の状態を比較しました。

運動したマウスには、運動皮質においてスパイン形成、そして、より強い神経接続が有意なより多くの証拠が示されました。
ザン博士によると、mTORは棘の成長と、脳が新しいつながりを作り続け、成長し続けることを可能にする上で重要な要素であるようです。

「我々の結果は、認知機能に対する運動仲介のための1つの重要な細胞内経路を特定し、運動に応じた神経細胞ネットワークの構造的、
そして、機能的適応の基礎となるmTORの役割に関する長年の疑問に取り組んでいます。」  

「運動した脳のmTOR経路を包括的に理解することで、運動効率を評価するための客観的な目標やバイオマーカーが得られると考えています。」

チームの最終的な目標は、運動トレーニングを使用してこの情報を適用し、ヒトの認知障害の臨床的介入に役立てることです。  

【以下のウェブサイトより引用】 
https://medicalxpress.com/news/2019-07-elucidate-mechanism-motor.html