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通販の避妊薬は安全である

Centers for Disease Controlの報告によると、性行為をした15歳から44歳の女性の99%以上が、人生のどこかの時点で避妊した経験があり、中でも経口薬が最も一般的な形態であるといいます。

しかし、非営利の女性の健康研究および擁護団体「Ibis Reproductive Health」のブリット・ワリン氏は、避妊薬へのアクセスには、未だにたくさんの障害があると述べています。
米国では、避妊薬の取得には処方箋が必要です。
診察には一般的に予約が要り、すなわち仕事を休んだり子供を預ける手配をする必要が出てきます。
また、医療費に保険が適用されたとしても、交通費のような自己負担が発生します。

ですので、近年インターネット上で避妊薬を購入できるプラットフォームの数が増えてきているのは、驚くべきことではないのかもしれません。
今日、
女性は処方箋を取得して、Nurx、Maven、LemonAid、Planned Parenthood Directのような15種類以上のオンラインプロバイダーから避妊薬を購入することができます、

これは、自宅を出ずに都合の良い時間に、インターネットで避妊薬を購入するための処方箋を取得できるということです。
通販で薬を購入すると、医師との対面の診察予約を飛ばし、避妊薬の選択肢や効果、副作用について話し合うための時間が無くなることになります。
しかし、医師や研究者は、このサービスの利点はリスクを大きく上回ると主張しています。


<安全性が非常に高い>
避妊薬は非常に安全であると、ローレン・タックストン氏は言います。
彼女はオースティンにあるテキサス大学医学部婦人科の助教授を務めています。
「アスピリンのようなその他の一般的な市販薬と比較しても、避妊薬の副作用はほとんど似たようなものです。」

避妊薬の使用に伴うリスクや合併症に関する文書がある一方、研究ではこうしたリスクは低いことが示されています。

しかし、インターネット経由での避妊薬購入は型破りなようにも見えますが、この場合も患者は医師や医療従事者と、ある程度関わることになります。
女性のデジタル・クリニックとして知られるMavenのようなプラットフォームでは、医師とオンラインのビデオ診察が必要になっています。
The Pill Clubのようなその他プラットフォームでは患者がアンケートに回答し、処方箋を出す前に医療チームが回答内容を確認するようになっています。

経口避妊薬は非常に安全です。
事実、Free the Pill campaign(避妊薬開放運動)などを率いるIbisや、産婦人科医の専門集団であるAmerican College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)などの団体が、避妊薬市販化の流れを支持しています。
避妊薬は既に、アジアやアフリカ、中央および南アメリカの多くの国々において市販化されています。


<避妊薬を取得するための予防スクリーニングは必要ない>
一部の医師は未だに、避妊薬を処方する前に、パップテストやSTD検査(性感染症検査)を行う必要があると考えています。

しかし、避妊薬取得前に予防スクリーニングが必要であることを示す医学的根拠はありません。
「私たちは、避妊薬の従来の取得方法と、その他の保険サービスを分けることを考えないといけません。」と、婦人科医であり、Mavenの医療ディレクターであるジェイン・バン・ディス氏は言います。

専門家も、こうしたサービスは個別に実施して問題無いと考えています。
例えば、インターネットや薬局のサービスを介した避妊薬と、病院でのスクリーニングは、別々に行うことができるでしょう。

「ACOGは、避妊薬の服用を始めるために、子宮頸がんや性感染症の検査が医学的に必要となることはないという、非常に優れたガイドラインを示しています。」と、UTオースティンのタックストン氏は述べています。
「避妊薬を、通院させるための囮にすべきではありません。」

ディス氏は、この事実は重要だと述べています。
なぜなら、CDCの報告によると、米国では2006年時点、妊娠の50%が計画外妊娠であり、また一部の女性は他の健康障害の治療に避妊薬を使用していたことがわかっているからです。


<インターネットで購入が全ての問題を解決する訳ではない>
第一に、オンラインのプラットフォームには、スマートフォンやパソコンの他、良いインターネット接続が必要になります。
「私たちは、避妊薬の取得に苦労している人たちは、こうしたテクノロジーを使用できる環境にない可能性を考慮しなければいけません。」と、Ibis Reproductive Healthのブリット・ワリン氏は言います。

加えて、こうしたプラットフォームが利用できない州もあるかもしれません。
特定の州でのみ、インターネットで避妊薬を購入することができるのです。
テレメディスン(遠隔医療)もしくはテレヘルスに関する法律は、州によって異なるため、避妊薬を入手しやすいのは特定の州のみになっています。

こうしたインターネットベースのプラットフォームを利用できる状況にあったとしても、避妊の選択肢は、標準的な使用方法では平均91%の効果しか示されていない経口薬に限られています。
Planned Parenthoodによると、経口薬と比較すると、注射型避妊薬の成功率は94%、インプラントやIUDはどちらも99%であるといいます。
後者の避妊薬は長期作用型であり、それぞれ最大5年間、10年間効果が持続します。
この種の避妊具には、医師の対面診察を受ける必要があります。

医師の診察料は、適用項目の幅広い健康保険に入っている人は無料となる一方、保険に入っていない人にとっては非常に高額になります。
加えてPlanned Parenthoodは、経口避妊薬の薬価は15~50米ドルであるとしており、この価格は保険の適用範囲やブランドによって異なります。

すなわち、一部の人、特に保険に入っていない人にとっては、テレメディスンのプラットフォームの方が、避妊薬を入手する方法としてはるかに安価になるということです。
とはいえ、価格についてはプラットフォーム毎に大きな隔たりがあります。
例えば、Nurxでは相談料が無料である一方、PlushCareでは保険がない場合、薬価を除いた相談料が99米ドルかかります。

Free the Pillsでは、オンラインでの避妊薬処方を提供する全ての会社の価格表を作成しています。


<人によっては、医師の対面診察を受けた方が良いケースも>
血栓や片頭痛、高血圧の既往歴があるなど複雑な健康障害を抱える人の他、特に喫煙者は、アプリやウェブサイトで避妊薬を注文する際注意が必要であり、直接医師の診察を受けた方が良い可能性があります。

「これら(の要因)があると、女性が避妊薬を使用する際のリスクが高まります。」と、タックストン氏は言います。
しかし医師の対面診察を受ければ、より適した避妊選択肢に関するアドバイスを受けることができます。

ただ、医師はリスクのない薬は存在しないと話します。
例として、アスピリンに伴うリスクと、経口避妊薬に伴うリスクは同様です。

また、インプラントやIUD、膣リングに興味がある場合は、医師の対面診察を受けて設置してもらう必要があります。


<オンラインプラットフォームによる避妊薬へのアクセス改善には長い道のりが必要だ>
ワリン氏が述べたような障害に加え、テキサス州などの「避妊薬砂漠」と呼ばれる地域が存在する事実を考えると、新規患者を受け付ける医師を見つけることもまた課題です。
「医師に診てもらうこと自体が困難となることがあります。」と、タックストン氏は言います。

そして、低所得者にとって、この障害はさらに大きくなります。
「特にこのような人たちに対して、オンラインでのアクセスを可能にすることで、部分的な需要を満たすことができます。」と、彼女は付け加えています。

薬剤師に処方を受ける方法と同様、こうしたテレメディスンアプリの存在によって一部の障害が無くなり、避妊薬にアクセスしやすくなっています。

また、避妊薬へのアクセス向上は命を救う事にも繋がり得ると、ヴァン・ディス氏は話します。
「妊娠するかどうか、またそのタイミングの決定は、女性にとって重要なヘルスケア要素となります。」と彼女は述べています。
「妊娠によりリスクが高まる健康健康障害を抱えている一部の女性にとって、妊娠予防には命を救う効果があります。」

出典:2019年11月15日更新 Popular Science『Online birth control is safe—and the only option for some women』(2019年12月16日に利用)
https://www.popsci.com/online-birth-control-options/