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認知症に優しい家づくり

認知症の診断は人生を大きく変えますが、だからといって家を引っ越し、全てを変える必要がある訳ではありません。
代わりにあなたの愛する人の家を認知症に優しい仕様に変えることで、彼らを出来るだけ独立させ、日々の作業を容易にすることができます。
お茶を一杯淹れることすら、困難になることがあるのですから。

以下に、認知症のあるあなたの大事な人の生活の質を上げ、快適な住まいを作る方法を記載します。


- 思い出の写真
誰にとっても物事を忘れがちであることは、特に認知症患者にとっては悩みの種である可能性があるので、
これに対抗する最も簡単な方法としては、家中に 好ましい思い出を思い起こさせる小さなものを配置するやり方があります。
友人や家族、お気に入りの休暇先など身に覚えのある場所、ペットなどの写真は、認知症の人に安心感をもたらします。
青春時代の思い出や人生における経験について話し合うのも良いですし、彼の過去について学ぶ良い機会にもなるでしょう。


- ラベル
ラベルは単純に見えるかもしれませんが、非常に効果的です。
食器棚にコップや皿などの内容物のラベルを付けると、認知症の人がキッチンを動き回ったり、日常の作業を続けることが容易になります。
認知症の進行度合いによっては、たとえば、1杯のお茶を淹れるための手順を見落とさないように、手順や材料を表示しておくと便利かもしれません。
家のその他のエリアでは、それぞれの部屋にラベルを付けるなど、どんなに単純なラベルでも役に立ちます。
鮮やかな赤と青の色を使用すると、たとえばお湯と水の蛇口がどちらであるのかを示すのに役立ち、混乱や潜在的な事故を防ぐことができます。


- 全てを動かさない
あなたは当然、大事な人の安全を保ちたいと考え、そのためには家具の移動が必要となるかもしれません。
しかし認知症の人は自分にとって身に覚えがあるかどうかを頼りにするため、全てを動かしてしまうと苦痛に感じるかもしれません。
認知症は長期記憶と短期記憶の間に混乱を生じさせるので、もしその家に25年間住んでいたとすると、今の家ではなく、当時の家の状態を記憶しているかもしれません。結果として、リビングにある彼らのお気に入りの椅子を移動させると、大きな混乱を招く恐れがあります。
家具を移動したり、彼らの部屋を下の階に移動したりする必要がある場合は、認知症患者が何故そうする必要があるのかを理解できるように、常に家族の会話に参加させてください。事前に知らせずに大幅な変更を加えると、苦痛を与える可能性があります。


- 昼間と夜間
日付や時間の概念は、認知症患者にとって曖昧になる可能性があります。
認知症患者にとって自然光は大変重要であり、科学研究では天然光は気分や身体のリズム、ビタミンD値を改善させることがわかっています。
窓は全て定期的に掃除し、カーテンは日中常に空いている状態にしてください。これは気分、ひいては認知機能を改善します。
夜はカーテンを閉じて部屋を暗くすることで、今が就寝時間であることが理解し、決められた時間に就寝できるようになります。


- 庭
家を認知症に優しい作りにするためには、庭にもいくつかの変更を加える必要があります。
鳥の餌箱を設置したり花を植えたりすると、庭に命を吹き込むことができ、結果として人を惹きつけることができます。
冬にはコマドリ、夏にはハチなど、季節毎に新しい命が訪れ、認知症の人やその家族にとっても、家の中から世界の移り変わりを見ることで、安らぎや楽しみを得ることができます。夏には認知症の家族の見る景色を変えるために外に椅子を置き、自然と触れ合い、自然をより身近に感じることで、認知機能を高めましょう。


誰にとっても、認知症は困難な時期となり得ますが、自宅をできるだけ快適にすることで、自宅にいながら最も好きなことを楽しむことができます。
たくさんの過去や現在の写真を家じゅうに置き、家のものにラベルを付け、自然と交流することで、より多くの思い出と幸せな時間を作ることができます。

出典:2018年11月19日更新『How to make your home dementia friendly』Health Spectator UK(2019年4月16日に利用)
https://health.spectator.co.uk/how-to-make-your-home-dementia-friendly/