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薬による抜け毛を治療する方法

多くの処方薬および一部の市販薬は、副作用として脱毛を引き起こすことがあります。

薬によって起こる脱毛は一時的な症状であることが多く、薬の服用を止めると正常な発毛が再開します。
しかし稀なケースとして、永久的な脱毛が起こる場合があります。

本記事では脱毛を引き起こす可能性のある種類の薬、および脱毛を避けるもしくは薬による脱毛を回復させる方法を見ていきます。


<髪はまた生えてきますか?>
薬による脱毛は、通常薬の服用を止めれば止まります。
しかし、たとえ脱毛を引き起こしていたとしても、服用を止める前には必ず医師に相談することが不可欠です。

薬の服用を止めてから、髪が再び成長し始めるまで最長6カ月かかることがあります。

一部の人は3~6カ月以内に発毛することがありますが、髪が正常に戻るまで12~18カ月かかる可能性もあります。


<脱毛を回復させる方法>
自宅療法や生薬を利用することで、脱毛を元に戻せることがあります。

  • 食事やサプリメント
バランスの良い食事を摂ることで、健康的な髪と発毛が促進されることがあります。
オメガ3脂肪およびオメガ6脂肪酸の他、抗酸化物質を豊富に含む食事も、役に立つかもしれません。

2015年に行われたとある研究では、120人の健康的な女性を対象に、オメガ3およびオメガ6脂肪酸と抗酸化サプリメントが髪の成長に及ぼす影響を調べました。

6か月後、研究者はサプリメントを服用した被験者の90%近くにおいて脱毛が減少し、髪のボリュームが増加したことを見出しました。

特定の栄養素が欠乏している人は、髪の成長に影響する可能性があります。

血液検査を受けることで、次のような脱毛に影響する欠乏症の有無を確認することができます。

・鉄
・ビオチン
・亜鉛

欠乏症がある人は、サプリメントで栄養素を補うことで、髪の毛の再生に役立つかもしれません。


  • ミノキシジル外用液
市販のミノキシジル(ロゲイン)を購入し、頭皮に塗布することができます。

ミノキシジルを使用すると、3~6カ月以内に発毛が開始することがあります。

薬剤師にミノキシジルについて相談したり、オンラインで購入することも可能です。


  • パンプキンシードオイル
パンプキンシードオイルは、脱毛に寄与する酵素である5α還元酵素の影響を軽減する可能性があります。

2014年に行われた研究の著者は、脱毛のある76人の男性を対象に、パンプキンシードオイルの影響を調べました。
24週間後、毎日400mgのパンプキンシードオイルを摂った被験者は、プラセボを摂取した10%の被験者と比較して、増毛したことが確認されました。

パンプキンシードオイルは、健康食品店やオンラインで販売されています。

数カ月自宅療法や生薬の使用を続けても効果が見られない場合は、医師に相談し、別の方法を確認して下さい。


<脱毛を引き起こす薬>
脱毛を引き起こす可能性のある薬は、以下の通りです。

【血液希釈剤】
血液希釈剤(抗凝固剤)は、脱毛を引き起こすことがあります。
これには、ヘパリン注射やワルファリンナトリウムが含まれ、薬のブランド名としては次のようなものがあります。

・パンワルフィン(Panwarfin)
・クマディン(Coumadin)
・ソファリン(Sofarin)

【スタチン薬】
コレステロールを下げるスタチン薬も、脱毛を引き起こす可能性のある薬です。
例として、以下が挙げられます。

・アトミッドS (クロフィブラート)
・ロピッド(ゲムフィブロジル

【抗うつ薬】
脱毛を引き起こす可能性のある抗うつ薬には、次のようなものがあります。

・プロザック(塩酸フルオキセチン)
・パキシル(パロキセチン)
・ゾロフト(塩酸セルトラリン)
・トフラニール(イミプラミン)
・ジャニミン(イミプラミン)
・アナフラニール(クロミプラミン)
・セルトラリン

【アンフェタミン】
アンフェタミンは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の管理、またはナルコレプシーの治療のために使用されることがあります。

アンフェタミン薬であるアデロールは、可能性のある副作用として脱毛症が挙げられています。

【痛風治療薬】
アロプリノールは、医師が痛風患者の尿酸値を下げるために処方する薬です。
アロプリノールのブランド名は、次の通りです。

・ジロプリム
・ロプリン

【緑内障用のベータ遮断薬】
チモロールは、緑内障の治療に使用されるベータ遮断薬です。
脱毛を引き起こす可能性のある形態のチモロールには、以下があります。

・Timoptic ocudose
・Timoptic eye drops
・Timoptic XC

【高血圧用のベータ遮断薬】
高血圧治療のためにベータ遮断薬を服用している人は、副作用として脱毛が起こる可能性があります。

この薬には、以下が含まれます。

テノーミン(アテノロール)
コルガード(ナドロール)
ロプレッサー(メトプロロール)
ブロカドレン(チモロール)
インデラルまたはインデラル LA(プロプラノロール)

【ホルモン薬】
ホルモン剤はあらゆる疾患の治療に使用されますが、これもまた、男女両方の脱毛原因となることがあります。

この薬には、以下が含まれます。

経口避妊薬
エストロゲンまたはプロゲステロンホルモン補充療法(HRT)
テストステロン
アンドロゲンホルモン
プレドニゾンおよびアナボリックステロイドを含むステロイド

【抗炎症薬】
脱毛を引き起こす可能性のある一部の抗炎症薬は、以下の通りです。

ナプロシン(ナプロキセン)
アナプロックス(ナプロキセン)
クリノリル(スリンダク)
インドシン(インドメタシン)

【抗リウマチ薬】
関節リウマチを治療する薬を服用している人は、脱毛が起こることがあります。
これは、抗リウマチ薬が炎症を抑える目的で、細胞の成長を止めるためです。

一部の薬は無差別な細胞を標的とします。
つまり、新しい髪の毛を産生する細胞に影響する可能性があるということです。

脱毛を引き起こす可能性のある抗リウマチ薬には、以下が含まれます。

・メトトレキサート・・・使用者の1〜3%に脱毛が起こる
・アラバ(レフルノミド)・・・服用者の約10%に脱毛が起こる

エンブレル(エタネルセプト)とヒュミラ(アダリムマブ)も、稀に脱毛を引き起こすことがあります。
研究者は、これらの薬物が細胞間で信号を送達する体内の分子に影響することが原因であると考えています。

【抗パーキンソン病薬】
レボドパ製剤(L-ドパ)は、脱毛を引き起こすことがあります。

【胃腸薬】
以下のような胃潰瘍や消化器疾患を治療する薬は、脱毛の原因となることがあります。

・タガメット(シメチジン)
・ペプシド(ファモチジン)
・ザンタック(ラニチジン)

【その他の薬】
脱毛を引き起こす可能性のあるその他の薬は、以下の通りです。

・甲状腺疾患の薬
・免疫抑制剤
・化学療法
・ボリコナゾールなどの抗真菌剤
・一部の抗生物質
・トリドンやトリメタジオンなどの抗けいれん薬
・イソトレチノイン(アキュテイン)
・ビタミンAを含む薬


<医師に確認すべきこと>
医師と薬について相談する時は、以下の点を確認すると良いでしょう。

・新しい薬を使用すると、どのような副作用が起こり得るか
・新しい薬は、髪の成長に影響するか
・脱毛を引き起こさない代替薬はあるか
・脱毛を引き起こし得るその他要因はあるか

医師は、髪が自然に再び生えてくる、もしくは脱毛の治療が必要となるかどうかも判断できることがあります。


<まとめ>
脱毛を引き起こす薬を服用している人は、代替薬に切り替えられるかどうか医師に確認してみましょう。
薬の服用を止めれば、6カ月以内に再び髪が生えてくることがあります。

殆どの場合、薬の服用を止めれば、髪の毛はまた自然に生えてきます。
自宅療法を行うことで、髪の成長に役立つ可能性があります。

6カ月経っても発毛兆候が見られない場合は、医師に別の治療選択肢について相談してみましょう。

また、医師に相談し、根底に脱毛を引き起こす別の問題の有無を確認することも大切です。

出典 2019年11月19日更新 Medical News Today『How to treat hair loss from medication』2020年1月16日に利用)
https://www.medicalnewstoday.com/articles/327068.php#reversing-hair-loss