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JapanRx / 自閉症児の体重減少にメトホルミンが関係

自閉症児の体重減少にメトホルミンが関係

JAMA Psychiatryのオンライン版に掲載された記事によると、糖尿病薬のメトホルミン塩酸塩は、自閉症スペクトラム障害がある子供たちや思春期の若者で、過敏性や攪拌の症状の治療に非定型抗精神病薬を服用している人に実施した小さな臨床試験において、彼らの体重の減少がみられました。メトホルミンは小規模臨床試験においては、体重増減と関連していたのです。

非定型(新しい)抗精神病薬のリスペリドン及びアリピプラゾールは、U. S.食品医薬品局(FDA)で、自閉症スペクトラム障害(ASD)への使用が承認した唯一の薬剤です。
この薬は子供の神経過敏や攪拌の症状を改善することができますが、また、体重増加を引き起こします。
時間が経つにつれて、それは、糖尿病のリスクを高める可能性があります。
成人においては、メトホルミンは、非定型抗精神病薬に関連した体重増加をとめたり減少することに関連しています。

カナダ、トロントにあるthe Holland Bloorview キッズリハビリテーション病院のエヴォドキア・アナグノスト博士と共著者は、ASDの小児および青年において、非定型抗精神病薬に関連した体重増加の治療のためのメトホルミンの有効性を試験するために16週間の臨床試験を実施しました。

臨床試験は、平均年齢13歳の61人の参加者で行なわれ、一日二回、メトホルミンまたはプラセボのいずれかが割当てられ投与されました。
61人の参加者のうち、60人に治療が開始されました。
本研究の主な効果指標は、体重増加が反映される、16週間にわたる治療のボディ・マス・インデックス(BMI)のzスコアの変化でした。

彼らはまた、安全性および忍容性と同様に他の身体組成および代謝変数を確認しました。
著者らは、ベースラインから16週目までの BMIのZスコアの変化によって評価し、メトホルミンは非定型抗精神病薬に関連した体重増加を食い止めることで、プラセボよりも優れていたと報告しました。
メトホルミン群で治療を開始した28人の参加者のうち、3人の参加者(11%)は、BMIで8%~9%の減少がありました。他の参加者は、その結果によると、16週間の治療中にBMIで5%以上の下落はありませんでした。
有意差は代謝変数にも認められませんでした。

参加者は、治療の割合が高い時には胃腸系の副作用がありましたが、全体的にメトホルミンは忍容性が良好だったと報告しています。

研究の制限には、参加者が小グループであることと、初期の改善を維持できるかどうかを評価するための時間が短いことなどが含まれています。

「これらの知見は、神経過敏、攪拌症状を治療するための非定型抗精神病薬を摂取する子供、そして、その使用に伴う実質的な体重増加とのバランスをとるのが困難である子供たちのための治療という点で重要な意味を持っています。」と、研究は結論付けています。

(記事元)http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/tjnj-maw082216.php