腸内環境を傷つける食べ物を食べていませんか？

2021年4月19日　（HealthDay News）　

野菜、魚、繊維をたくさん食べる人の腸内には炎症と戦うバクテリアが多いかもしれませんが、ファーストフードを好んで食べる人は炎症性微生物に栄養を与えてしまっている可能性があります。

 

これは人々の食生活と腸内の「腸内細菌叢（マイクロバイオーム）」の構成を調べた新しい研究の結論です。

 

この用語「マイクロバイオーム」は、腸内に自然に生息するバクテリアやその他の微生物の膨大な集合を指します。

近年の研究では、これらのバグが、代謝や栄養素の合成から免疫防御や脳機能に至るまで、体の正常なプロセスにとってどれほど重要であるかが明らかになっています。

 

新しい研究で、研究者は、有名な地中海式ダイエットに類似した植物ベースの食品や魚が豊富な食事を食べた人々には、炎症を和らげることができる腸内細菌のバラエティが多いといった利点があることを発見しました。

一方、肉、加工食品、砂糖を好む人は、炎症誘発性の腸内細菌のクラスターを持っている傾向がありました。

 

多くの研究は、地中海スタイルの食事と植物が豊富な食事をさまざまな病気のリスクを下げることに結び付けています。

研究者らは、新しい発見が腸内細菌叢への影響が理由の1つであるという、新たな証拠を追加すると述べました。

 

「私たちの研究は、腸内細菌叢が食事と病気のリスクの間の関連の可能性があるという考えを支持しています。」

と、消化器病専門医でオランダのフローニンゲン大学の教授であるリンス・ウィアーズマ博士は述べました。

 

彼のチームは、野菜、果物、脂肪の多い魚、ナッツ、繊維が豊富な穀物をより多く食べた人々は、一般的に短鎖脂肪酸を大量に生産するバクテリアの濃度が高いことを発見しました。

 

短鎖脂肪酸は、腸内細菌が非消化性繊維を発酵させるときに生成され、抗炎症作用があるとウィアーズマ博士は説明しました。

 

そのスペクトルの反対側には、「ファーストフードクラスター」があり、これらの人々は、肉、フライドポテト、ソーダ、加工スナック食品を大量に摂取していました。

 

ウィアーズマ博士によれば、彼らは二重の問題を抱えていました。

食物繊維が不足しているため、短鎖脂肪酸を生成するバクテリアが少なかったのです。そして、彼らはまた、炎症誘発性腸内微生物がより豊富であることを示しました。

 

専門家によると、遺伝子、年齢、健康状態、薬の使用（特に抗生物質）、ストレスなど、多くの要因が腸内細菌叢の細菌のバランスに影響を及ぼします。

 

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のエメラン・メイヤー教授は、

「しかし、食事は成人にとって一番の要因だと思います。」

と述べました。

 

研究に関わっていなかったメイヤー教授は、近刊書である「The Gut-Immune Connection腸と免疫のつながり」の著者です。

 

彼は一般的に、個人のニーズに基づいて特定の食品を選択し、主に植物ベースの食事療法を推奨すると述べました。

メイヤー氏によると、プロバイオティクスサプリメントを摂取するのではなく、食事療法が進むべき道です。

 

「生物学を回避する方法はありません。食事内容が悪いとプロバイオティクスを摂取することはできません。」

と彼は言いました。

 「ご自身の食事療法と全体的なライフスタイルに根本的な変化を起こさなければなりません。」

 

残念ながら、メイヤー氏は、加工食品やその他の不健康な選択肢は、安価であることが多く、それが、低所得者の健康的な食事を困難にしていると付け加えました。

 

「それは本当に問題です。」

と彼は言います。

 

最近GUT誌のオンライン版に発表された新しい調査結果は、食生活に関する質問に答え、腸内微生物分析のために便のサンプルを提供した1,400人以上のオランダ人成人での研究に基づいています。

一般的に健康な人もいましたが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化器疾患を持つ人もいました。

 

全体として、この研究では、魚と植物由来の食物と、消化器系不調のある人々などを含む、抗炎症性腸内微生物との間の一貫した関連が見つかりました。

 

アンドリュー・チャン博士は、ボストンのマサチューセッツ総合病院の消化器病専門医であり、ハーバード大学医学部の教授です。

 

チャン氏は、腸内細菌叢が食事と病気のリスクの間の重要な関連の1つであるという証拠が増えていると述べました。

しかし、チャン氏によると、炎症は全体的な話の一部にすぎない可能性があります。

 

研究者たちは腸内細菌叢の多くの役割を理解し始めたばかりであり、それ自体が臓器であると考える人もいると彼は述べました。

腸内細菌叢が人間の健康にどのように影響するかを特徴づけ、「健康な」ものが何であるかを定義するには、さらに多くの調査が必要であるとチャン氏は付け加えました。

 

今のところウィアーズマ博士は、これらの調査結果は、より植物性食品をそのまま食べ加工食品を少なく食べるという現在の推奨事項を支持していると述べました。

 

チャン氏はこれに同意しましたが、最終的には腸内細菌叢の研究が専門家を万能のアドバイスから遠ざける可能性があると付け加えました。

 

また、個人のその腸内細菌叢が、食物にどのように反応するかに基づいて、食事を個別化することが可能になりつつあると彼は言います。

 

 

【ここのリンクより引用】

Are You Eating Foods That Harm Your 'Microbiome'?

Healthday