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JapanRx / 胃酸薬が慢性腎疾患に関係

胃酸薬が慢性腎疾患に関係

胃酸を減少させるために一般的に使用されている薬は、それを摂取しない場合と比較して慢性腎疾患を発症するリスクが高いことがわかりました。
2013年には、1,500万人を超えるアメリカ人が処方箋PPI(胃酸を減少させる薬剤)を使用しました。
 
これは、バルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学医学部の新しい研究結果であり、JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)で発表されたものです。
しかし、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と慢性腎疾患との関連性を見つけても、その薬が実際に慢性腎疾患を引き起こすことは証明されていません。

PPI を処方された実験の参加者は、 PPI の使用とは無関係という理由で高リスクの慢性腎疾患を抱えていたかもしれないと、彼らは示唆しています。
しかし研究者たちは、以前の研究ではPPIの使用と急性間質性腎炎と呼ばれる腎臓の炎症形成が関係していたとも述べています。
 
PPIは世界的に最も一よく一般的に使用されている薬で、酸の逆流と胃食道逆流症(GERD)の症状を軽減するために使用されます。
また、消化器や胃の潰瘍、酸の逆流による下部食道の損傷を治療するためにも処方されています。

PPIは胃の内層細胞によって作り出される胃酸の量を減少させることにより、作用するお薬です。
胃に入った後に過剰な胃酸を中和する作用を持つ抗酸剤とは異なります。
PPIには、例えばオメプラゾール(Prilosec)、エソメプラゾール(Nexium)、ランソプラゾール(Prevacid)など、多くの種類やブランド名があります。
副作用は各薬剤により様々です。
 
PPI摂取による副作用に関する最新の知識をまとめた添付記事で、サンフランシスコにあるカリフォルニア大学のアダム・ヤコブ・ショーンフェルド博士およびデボラ・グラド博士は以下のように述べています。
「PPIを意味もなく服用している患者の大多数は、よく薬剤溶解後の消化不良または「胸焼け」を発症し、薬の服用が遠因となっています」。

10年の期間においてはPPI 摂取者は腎疾患のリスクが高い

ジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちによる研究では、「コミュニティににおけるアテローム性動脈硬化症リスク(ARIC)」の研究で約14年間に渡って中央値の追跡調査があった1万482人の患者のデータを分析しました。
彼らはその結果を、6年間中央値の追跡調査が行われた24万8751人を対象として大きなコホートで再現しました。
これらの患者はペンシルバニア州のガイシンガー・ヘルスシステムの会員でした。

モニター期間を開始した頃、それぞれのグループのPPI使用者は体格指数(BMI)がより高め、また高血圧を調節するためのアスピリンやスタチンをより摂取することがわかりました。
ARICのグループでは、PPIを服用していた332人の中56人の被験者が慢性腎疾患を発症しましたが、1万160人の中1,382人の被験者は服用していませんでした。

こ れらの統計データはそれぞれ、年間1000人につき14.2人および10.7人に置き換えられます。
なお追跡調査開始時にPPIを服用していた被験者は、PPI使用者として分類されました。

ARIC データの更なる分析では、 PPI 使用者での慢性腎疾患が発生する 10 年間の絶対リスクは 11.8 %であったことに対し、 PPI を使用しなかった場合は 8.5 %でした。

彼らがガイシンガー・コホートでこの同じ分析を繰り返した場合、研究者はPPI使用者1万6900人のうち1921人が、そして非使用者23万1851人のうち2万 226人に慢性腎疾患が見られ、
年間1000人ごとに置き換えると、それぞれ20.1人および18.3人でした。

再度に渡る、より大きな大規模コホート分析では、PPIの使用は疾患リスクの上昇と関係していることを示しています。
慢性腎疾患が発生する10年間の絶対リスクはPPI使用者では15.6%、非使用者では13.9%でした。
 
彼らの調査結果に関するコメントにおいて、著者は自分たちの研究は「観察に基づいて、因果関係の証拠を提供していない」という点を強調しています。
また、こうも述べています。
「しかしPPI使用と慢性腎疾患の因果関係をはっきりすべきであり、それは薬が広く使用されることに公衆衛生上、重要な関わり合いを持つはずなので す」。

(記事元)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/304994.php