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肥満の子どもは不安障害やうつ病のリスクにさらされている

アメリカの青年は、うつ病や不安障害には大々的に対処しているものの、肥満との関連はまだ確立されていません。
米国国立精神保健研究所(NIMH)によって収集されたデータでは、2017年、アメリカ人口13.3%に当たる320万人の青年が、主要な鬱病エピソードを少なくとも1度患ったと推測されています。

ストックホルムにあるカロリンクサ研究所の研究者らは、肥満の青年はその上精神障害も発症しやすいことを発見しました。
この研究結果は最近、グラスゴーで開催されたヨーロッパ肥満会議(European Congress on Obesity)で、研究を主導したルイス・リンベルグ氏と彼女の研究チームによって発表されました。

研究者らは、10年間(2005年~2015年)にわたるスウェーデン・小児肥満治療記録(Swedish Childhood Obesity Treatment Register)に登録された12,507人の思春期の子どもや若者(6歳~17歳)の健康記録に関する膨大なデータを使用しました。
これらのデータは、合意を得るため、同等の経済的及び社会的背景を有する60,063人の肥満のない子どものものと比較されました。

結果、4,320人の子どもたちが平均4.5年間の間うつ病や不安障害を患っていたことが明らかになりました。
研究者らは、その他の要因がこの研究結果に影響を及ぼすのを避けたいと考えました。
そのため彼らは、移住や精神障害、遺伝、経済的背景といった肥満以外の危険因子を無効にし、相殺しました。

肥満と精神障害を同時に患う女子の割合は、標準体重の女子よりも5%高くなりました。
つまり、うつ病や不安障害を抱えていた女の子の11.6%が肥満グループに属し、6%が標準体重グループに属していたことになります。

一方、精神障害を抱える男子の数は少ない結果となりました。
肥満の男子では8%がうつ病もしくは不安障害と診断され、標準体重の男子で精神障害を発症したのは4.1%のみとなりました。
不安障害やうつ病を患うリスクは女子では43%高くなり、男子でも33%高くなりました。

失敗であった点は、研究初めにその他危険因子を排除したにもかかわらず、この研究では肥満がうつ病の独立した原因であることが証明できないことです。
最終的な分析では、肥満が精神障害を引き起こすことはあり得る結果ではありますが、これは確実ではありません。

この研究には、限界がいくつか存在します。
身長や体重、精神障害の深刻度、および未診断の健康問題は考慮されていないため、具体的な関連性を示すことができませんでした。


- 肥満シンポジウムで発表された別の研究で、類似した結果が示される
2019年4月28日~5月1日の期間にグラスゴーで開催された肥満に関するシンポジウムで、リバプール大学とユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの学者によりこれら2つの状態を関連付けた別の研究が発表されました。
この研究はイギリスで行われ、2000年~2002年生まれの子ども17,215人の国全体を代表する大規模なサンプルを使用しました。

この研究では、7歳の時点で肥満であった子どもは、11歳になった時点で心理的ジレンマを抱える可能性がより高いことがわかりました。
これは同様に、14歳時点でのより大きな体重増加につながる可能性があることを意味しています。

広範囲に及ぶ調査がなされたにも関わらず、両研究の研究者らは、若い世代の健康問題に関する理解を深め、これを解決するためには、精神障害と肥満の共通性についてさらなる分析を重ねる必要があると述べました。

出典: 2019年5月1日更新 Medical Daily 『Omega-3 levels in farmed salmon have halved in a decade』(2019年5月27日に利用)
https://www.medicaldaily.com/overweight-kids-risk-anxiety-and-depression-researchers-say-433913