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JapanRx / 肝臓鉄の含有量に関する遺伝学的研究がより良い治療への道を開く

肝臓鉄の含有量に関する遺伝学的研究がより良い治療への道を開く

肝臓中での鉄量が高レベルであることは、癌、糖尿病、高血圧および心臓血管系ならびに肝疾患を含む
多くの深刻な健康状態に関連しています。
しかし、肝臓の鉄分を測定することは困難であり、そして最近まで観血的生検を通してしかできませんでした。

英国・エクセター大学の研究者たちは、英国ロンドンのウェストミンスター大学、スウェーデンのルンド大学、
英国・オーフォードにあるPerspectum Diagnostics社の研究者らとともに、体内の鉄代謝を調節する遺伝子が過剰な鉄分の原因であることを
突き止めました。

これらの遺伝子は、ヨーロッパ人、特にケルト人の祖先をもつ集団において、肝臓中に鉄が高いレベルで蓄積される主な原因であり、
これはおそらく全身性であり器官関連の問題ではないことを示唆しています。

この発見は過剰となった鉄分を減らすための単純な戦略への道を示す可能性があります。
この研究は、本日、「ヨーロッパ人類遺伝学会(ESHG)」の年次総会で発表されます。

ハーネイ・ヤクーカ博士と博士の研究グループは、英国のバイオバンクへ生物学的サンプルを提供した8,200人のボランティアにおいて、
磁気共鳴画像法(MRI)によって測定された肝臓鉄含有量に関するゲノムワイド関連研究を行いました。

ゲノムワイド関連研究は、特定の状態に関連する遺伝的変異を見つけるために、多数の人々のDNA全般のマーカーの画像診断を行います。

彼らは、より肝臓鉄の高いレベルに関連し、ヘプシジンという鉄の血中への侵入を調節するタンパク質の産生に関与する
3つの独立した遺伝的変異体を発見しました。

その結果は、パンヨーロッパ糖尿病研究協会(DIRECT)でデータが収集された1,500人の個人について検証されました。
「そのような研究が選択的でない大規模な集団で行われたのは今回が初めてです。」
と、ヤクーカ博士は言います。

研究者らはより高いウエスト対ヒップ比の高さと肝臓鉄含有量の上昇との間の因果関係を探究するために遺伝的方法を用いました。
この研究は、より高い中枢性(腹部)肥満が肝臓鉄含有量の増加と関連していたという遺伝的証拠を提供しました。

「脂肪細胞が白血球の一種であるマクロファージを誘発して炎症を引き起こすこと、
そしてこれが今度は肝臓での鉄の処理を不備にするということを示す動物実験があります。
我々はこの関連性をさらに研究する必要がありますが、それはこの現象の妥当と思われる説明となります。」

肝臓の鉄分の上昇を引き起こすメカニズムは一般化されており、臓器特異的ではないという事実は、
おそらく脳を含む他の臓器でも鉄分の高レベルを引き起こすことを意味しています。

研究者らは、過剰な鉄と精神神経疾患を含む他の多くの疾患との関連性を見出しました。
鉄の高濃度による臨床症状は非常に多様であるため、ヘプシジンによる治療も含め、鉄の蓄積を減らすための新しい治療法を
考案し評価するまでには、多くの専門的なアプローチが必要となるでしょう。
MRI検査はバイオバンク研究においては10万人の個人で継続中です。

ESHGの会議の議長である英国のニューカッスル大学遺伝医学研究所所長のヨリス・ヴェルトマン教授は次のように述べています。
「これによりこの特性に関連する、より多くの遺伝的要因を見つけることができるようになります。
現在示されている研究結果は、ヨーロッパをルーツとする人々にのみ有効であるため、他の民族でもそのような研究を行いたいと思っています。」

鉄分の蓄積過剰は体に悪く、厳しく規制される必要があります。
本日ESHGで発表された遺伝子研究は、鉄代謝を調節する遺伝子の重要な役割を明らかにし、また特定の種類の肥満と鉄の過剰の間の関連も明らかにしました。  

【以下のウェブサイトより引用】 
https://www.news-medical.net/news/20190617/Genetic-study-on-liver-iron-content-may-pave-way-for-bett... treatment.aspx