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職場のデスクに植物を置くと、ストレスや不安が軽減する可能性がある

あまり手間のかからない植物は、カレンダーや写真立て程ではありませんが、オフィスの装飾として非常に一般的に利用されています。
このような植物の価値は、その見た目だけにはとどまりません。

昨年Hortechnology誌に掲載された小規模研究では、小さな植物を職場のデスクに置くと、全体的なストレスが軽減することが示唆されました。
研究の被験者は63人のみでしたが、植物がメンタルヘルスに及ぼす効果を示す文献がまた一つ増える結果となりました。


<研究の構成>
研究被験者には男性33人のおよび女性30人が含まれ、全員が管理職には就いていませんでした。
被験者は電化製品メーカーに勤務し、週5日、1日8時間働いていました。
彼らのデスクには、ノートパソコンと電話が置かれていました。
一部の人のデスクは窓の近くに位置していましたが、ブラインドは閉じられていました。

研究は、制御期間と介入期間の2部で構成されました。
1週間続いた最初の部(制御期間)では、被験者が疲労や不安を感じた時の脈拍を測りました。
脈拍を測る前に、被験者はノートパソコンの画面を3分間じっと見つめるよう指示されました。
実験期間(4週間継続)では、被験者が疲労を感じた時に脈拍を記録しましたが、今回はデスクの植物を3分間見つめてから、脈拍を測定しました。

STAI(状態‐特性不安尺度)検査は2回実施され、1回目は実験期間の初めに、2回目は4週間の終わりに行われました。
STAI検査では、状態不安(より直近の出来事によってもたらされた不安)および特性不安(全体的な性格と不安傾向)を計測しました。
この検査と併せて、被験者は自身の気持ちに基づいた記述回答を提出しました。


<植物は職場のストレスレベルを軽減する可能性がある>
この研究では、実験期間中には脈拍およびSTAIスコアが有意に減少することが示され、植物がストレス低下およびメンタルヘルス向上に効果的であることが示唆されました。
サンプルサイズが小さすぎることと、研究ではあらゆる交絡因子が考慮されなかった点が挙げられるものの、この研究からは、いくつかの実用的なアドバイスを引き出すことができます。


<一時的に仕事から離れる>
調査結果について議論する中で、研究者は、植物を集中して見るとリラックスすることができる理由を裏付ける理論をいくつかの提唱しました。
(締め切りを示すポストイットや画面、ファイル、ケーブルといったデスクは仕事関連の物で埋め尽くされる傾向にあり、心はこのような物を努力や献身と関連付けます。
しかし、植物のような対象物には気を散らせる効果があるため、心を落ち着かせる作用があります。
仕事に関連していない植物に集中することで、目の前に仕事があるという現実から瞬間的に目を背けることができます。
植物には自然に心を落ち着かせる効果があり、植物の育成や自身の健康に少し時間を割くことが出来れば、こうした健康効果を高めることができるかもしれません。
これが、研究の第二部がより長い期間で設定された理由です。
このことで、被験者が植物の世話をし、成長を追う時間が与えられました。

職場のデスクに植物を置くこと、それほど費用はかかりません。
上司に、オフィスにいくつかの植物を置くよう、依頼しても良いでしょう。
同様に、より個人的な物を職場においても、心を落ち着かせる効果を得ることができるでしょう。
これには、愛犬の写真、気分を高めたり楽しい気持ちにさせる格言、仕事外の時間を思い起こさせる映画のポスターなどが挙げられます。

研究者は、この研究から直接的な結論を導き出すべきではないと警告したものの、研究は現代の職場の理解に貢献したと述べています。
複雑なメンタルヘルスや、影響する様々な要因への取り組みが進んでいけば、いつかはオフィスが私たちの全体の健康に貢献するような場所になるとも期待できるでしょう。

出典 2020年1月8日更新 Firstpost『Keeping a plant at your work desk may reduce stress and anxiety: Study』(2020年1月10日に利用)
https://www.firstpost.com/health/keeping-a-plant-at-your-work-desk-may-reduce-stress-and-anxiety-stu...