米国タスクフォースは乳がん遺伝子検査の推奨事項を更新

2019年8月20日（HealthDay News）-2つの遺伝子、BRCA1とBRCA2の変異が、乳癌のリスクを大幅に高めることが知られていますが、専門家の間ではどの女性を検査すべきかについて長い間、議論が行われてきました。

米国予防医学専門委員会（U.S. Preventive Services Task Force, USPSTF）からの新しい推奨事項は、誰がリスク評価テストから最も利益を得ることができるかを明確にするのに役立ちます。

現在、もしある女性でのリスクが高い場合は、タスクフォースは遺伝カウンセラーに会い、おそらくBRCA突然変異についての検査を受けることが　　　推奨されます。

「乳癌は非常によく見られますが、BRCAを持つ人の突然変異はまれであり、すべての女性で発生するのは1％未満です。」

とタスクフォースのメンバーであり、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学・公衆衛生の教授であるキャロル・マンギオーネ博士は説明します。

これらの突然変異の検査を受けるかどうかを決めることは、「多くの賛否両論のある複雑な決定」であると彼女は言います。

「陽性であるとわかった女性には、非常に劇的な手術や薬物療法が行われます。」

たとえば、BRCA変異を持つ女性は、がんの発症を防ぐために両方の乳房を切除する場合があります。

「BRCA突然変異のリスクが増加していない女性では、潜在的な有害性が検査の利点を上回っています。」とマンギオーネ博士は述べました。

BRCAテストに関する最新のUSPSTF勧告は、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション誌（Journal of the American Medical Association）において8月20日に公開されました。

では、初期リスク評価が行われるのはどんな人なのでしょうか。

タスクフォースによると、これらのがんの既往歴または家族歴を持つ女性です。

タスクフォースによると、アシュケナージ系ユダヤ人のようなBRCA変異に関連する祖先を持つ女性もリスク評価を受けた方が良いようです。

JAMA Network Openで8月20日に発行された社説によると、祖先を起因としてBRCA突然変異のリスクが高くなる可能性のある他のグループには、　アフリカ系アメリカ人、メキシコ人、ナイジェリア人、インド人などがいます。

これの筆頭著者は、シカゴ大学のパドマ・シーラ・ラジャゴパル博士です。

リスク評価の結果によっては、女性が遺伝カウンセリングや検査を受けることはないかもしれません。

女性が遺伝カウンセリングを受けてから、BRCA検査がその女性には不必要と判断される可能性もあります。

タスクフォースは、一部の女性はリスク評価を必要としないと述べました。

これらには、4つのがんの家族歴、またはBRCA突然変異に関連した祖先がいない女性が含まれます。

アメリカ癌協会の最高医療責任者であるレン・リヒテンフェルド博士は、BRCA検査は「非常に現実的な」問題であると述べました。

「これらの推奨事項により議論が必要となるかもしれませんが、私たちはもっと改善できます。」と彼は述べ、タスクフォースの手法を「保守的だ」と　　述べました。

彼は、男性でのBRCA検査については述べませんでしたが、まれに乳がんや他のBRCA関連のがんに罹患する可能性のある人もいます。

リヒテンフェルド博士は、USPSTFが消費者直結テストには対応していないことも懸念していました。

多くの企業がBRCA検査をオンラインで提供しています。

しかし、これらの検査は医療検査ほど適切に管理されておらず、結果は正確ではない可能性があります。

「女性は検査を受けても、オンライン検査では発見されない突然変異を持っているかもしれません。」とリヒテンフェルド博士は述べました。

マンギオーネ博士は、市販の遺伝子検査はまだ新しく、タスクフォースが推奨を行うのに十分な証拠がないと述べました。

それでも、彼女は、「市販の遺伝子検査によるテストでは、どんな結果が得られるのかわからないため、テストで陽性となる可能性が高いです。」　　　と述べました。

リヒテンフェルド博士はまた、医師のリスク評価に基づいた「リスクの高い女性」は全員、検査前に遺伝カウンセラーに相談するべきだという推奨事項に対して問題を提起しました。

「推奨事項は遺伝カウンセラーに依存しているが、利用できるものが少なすぎます。この推奨では一部の女性は検査を受けることをためらうでしょう。」

米国ではがんに特化した遺伝カウンセラーは700人未満です。

【以下のウェブサイトより引用】

Health Day