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研究は、中国の大気汚染と稽留流産の関連を指摘

(北京)10月14日月曜日、研究者らは、空中汚染物質への曝露により、妊娠中の女性が何かしらの症状に気づくことなくお腹の胎児が死亡する稽留流産のリスクが高まると述べました。

以前の研究では、大気汚染と妊娠合併症の相関関係が示されていましたが、中国の大学の研究者チームがネイチャー・サステナビリティー誌に発表した新しい研究は、殆ど研究されていなかった大気汚染の影響に注目しています。

この研究では、高濃度の大気粉塵、二酸化硫黄、オゾン、一酸化炭素への暴露が、妊娠初期の稽留流産リスクを高めることがわかりました。

さらに、「リスクの増加は直線状に伸びるものではありませんが、汚染物質濃度が高くなるほど深刻になります」と、研究では述べられています。

稽留流産は、胎児が子宮内に留まっている妊娠初期に死亡したり、成長が止まることで起こり、多くの場合数週間後の定期的な超音波検査によって検出されます。

4つの大学と中国科学院の研究者は、2009年から2017年にかけて、稽留流産を経験した17,497人を含む、北京在住女性25万人以上の妊娠を追跡しました。

研究者は、女性の自宅や職場の近くにある大気監視測定局による測定値を使用し、被験者の汚染への暴露を測定しました。

「中国は高齢化社会であり、我々の研究は、出生率を高めるために国が大気汚染を減らすべきであるさらなる理由を示しています。」と同論文の著者は述べました。

この研究は汚染と流産の間に定量的な関連を示しましたが、因果関係を確認するには人間の胚を用いた倫理的に困難な実験が必要であると、メルボルン大学産婦人科の教授であり、この研究に携わっていないショーン・ブレンネック氏は述べました。

ブレネック氏はAFPへの取材で論文の著者は「様々なレベルの大気汚染が存在し、時間の経過と共に汚染レベルが低下した北京に拠点を置くことでこの研究に利点があったのです。」と、述べました。

この研究の著者は、AFPのコメント要求に応じませんでした。

汚染測定値は日により、そして都市により劇的に異なることを考慮しても、中国の首都の大気汚染レベルは、近年大幅に低下しています。

しかし、北京の現在のPM2.5レベル(肺の奥深くまで浸透する小さな粒子)は、未だに世界保健機関が推奨するレベルよりも4倍高くなっています。

スイスの空気浄化技術会社IQAirの調査部門AirVisualによると、2019年最初の8か月間における北京の平均的な毎時間のPM2.5値は、大気1立方メートルあたり42.6マイクログラムであったといいます。

この研究結果は、「他の大気汚染と流産に関する研究、および大気汚染物質と早産との重要な関連性を実証する他の研究と一致しています。」と、コロンビア大学の公衆衛生学教授であり、この研究に関与していないフレデリカ・ペレラ氏は、AFPの取材に対して述べました。

出典: 2019年10月8日更新 Asia One『Air pollution linked to 'missed' miscarriages in China: Study』(2019年10月18日に利用)
https://www.asiaone.com/china/air-pollution-linked-missed-miscarriages-china-study