電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 発電所は遠くにあっても害を及ぼす

発電所は遠くにあっても害を及ぼす

発電所は、米国において数千人の早期死亡と関連しています。
研究者は、施設から出る排出物が全国に行き渡り、さまざまな州の住民の健康に悪影響を及ぼす可能性があることを発見しました。

ジャーナル「Environmental Science&Technology(環境科学&テクノロジー)」に掲載されたこの研究では、化石燃料を使用して発電する発電所の影響が示されています。
発電過程で微粒子が大気に放出され、大気汚染の原因となっています。

研究者たちは、粒子状物質への曝露は心臓発作、脳卒中、肺がんなどの病気に関連していると述べました。
Futurityの報道によると、2014年だけでも、発電所からの排出物による大気汚染は、16,000人近くの早期死亡を引き起こしたといいます。

この調査結果は、石炭や天然ガス、ディーゼル、石油の各発電所を含む、米国に点在するさまざまな発電所の排出物の分析を基にしています。
研究者は、施設の排出物がどのようにして別の地域に移動するかを示すモデルを作成しました。

ここでは、微粒子の大気汚染に影響する風のパターン、雨、大気中への放出における変化などの要因が考慮されました。

「これにより、全国の汚染濃度のマップができました。」と、この研究の筆頭著者であり、土木および環境工学博士課程の学生であるマインダー・シンド氏は述べています。
「そして、このマップを人口調査のデータと重ね、人々が住む場所と大気汚染が健康に与える影響を推測しました。」

発電所の排出量をマッピングした後、研究者らは国立衛生統計センターから死亡率データを収集しました。
すると、2014年の早期死亡の91%が、石炭火力発電所からの排出によるものであることがわかりました。

ペンシルベニア州の死者数は約2,000人と最も多く、一方モンタナ州とアイダホ州における同時期の死者は10人未満と、早期死者数が最も少なくなりました。

この研究のもう1つの驚くべき発見として、36州における早期死亡件数の50%以上が、他の州からの排出によるものであったことです。
研究者はこれを汚染の「輸入」もしくは「輸出」と呼びました。

低所得の家庭は、発電所からの排出物によるさらされるリスクが高くなっていました。
しかし、研究対象の州において最も影響を受けている集団はアフリカ系アメリカ人となりました。

「私たちの研究データは、その州が自分たちの地域の電力生産方法を変更する対策を講じても、州を超えた影響がそこに住む人々に重大な影響を与えることを示しています。」と、この研究の上席著者であり、ワシントン大学で土木環境工学の教授を務めるジュリアン・マーシャル氏は述べています。

出典: 2019年11月24更新 Medical Daily『Even Power Plants Far From Your State Could Kill You』(2019年11月27日に利用)
https://www.medicaldaily.com/even-power-plants-far-state-could-kill-446337