症状がゆっくりと現れると心臓発作に気が付かない

心臓発作の症状が徐々に始まり、症状がわからない場合、患者は救急室への到着が遅くなり、心臓機能を維持するための重要なサインを見逃す危険性があります。

米国では心臓への血流の危険な減少で救急部門を受診した474人の患者のうち、症状が現れた患者は、治療を求めて病院に行くまでに、推奨されるよりも最大で6時間長くかかったことを研究者らは見つけています。

医学的な緊急事態を反映しているにもかかわらず、漸進的な症状は認識もなく、また深刻にも受け止められず患者は助けを得るために最大8時間かかったのに対し、突然または突然の症状のある患者では平均2.57時間だったと研究チームは欧州心臓血管看護学会誌で報告しました。

アメリカ心臓協会は、心筋の永久的な損傷を回避する最善策は、心臓発作の患者は2時間以内に治療を受けることだと推奨しています。

突然の心臓発作では、患者は最初から激しい痛みを感じます。

しかし、緩やかな発作の症状、例えば軽度の不快感、呼吸障害、胸の圧迫感はそれほど明白ではないと著者らは指摘してます。

「心臓発作を起こしていると思われる人は、自分の症状が誤りであるかもしれないと心配してはいけません。」

と、新しい研究を率いたイリノイ大学シカゴ校のサヘレ・ミルゼイ博士は述べました。

「救急車を呼びすぐに救急医療機関へ行ってください。」

著者らは、より大規模な多州での研究に参加している患者に関するデータを分析しました。

現在の分析では、29歳〜93歳の男性343人と女性131人に焦点を当てました。

これらの患者は、心臓発作や不安定狭心症など、心臓への血流が突然低下する症状を起こし、それは後に急性冠症候群であると確認されたもので病院の救急部門に入院しました。

回答者のほぼ半数（44％）が徐々に症状が現れたと報告しました。

残りは突然の症状の発現を報告しました。

そして、患者の半数は病院に行くまでに4時間以上かかりました。

保険に加入しておらず、徐々に症状が現れることは、より長い遅延に最も強く関連する要因でした。突然の症状、または運動後の症状の発現がある場合はすぐに病院に行っていました。

心臓病、2型糖尿病、高血圧、または喫煙者である人はリスクが高くなる可能性があり、特に運動を行った後の段階的な症状に注意する必要があるとミルゼイ博士は言います。

研究に関与していないハーバードT.H.の医師兼教授であるアシュシュ・ジャー博士は、次のように述べています。

「漸進的な症状のある人は、痛みとして感じていることを説明するのではなく、ただ圧迫感や緊張感を感じると言います。医師は、圧迫感と緊張感が同様に深刻であることを説明する必要があります。」

「この研究の革新的な部分は、著者が、何が人をスローダウンさせるのかを調べようとしたことでした。」

彼は、問題の一部は患者がどのように症状を特定するかであることに同意しました。

「新しい症状が現れると多くの人がそれを無視するか、説明しようとします。」

しかし、より多くの患者とデータを用いたより大きな研究は、問題をよりよく理解するのに役立つだろう、とジャー博士は述べました。

ミルゼイ博士は、人々が自分の症状を認識し、迅速に助けを求めるのを支援することにより、病院への到着の遅延を減らす公共政策はないと指摘しました。

「アメリカ心臓協会は、心臓発作を起こしている可能性があると思われる人には、すぐに911番（救急番号）に電話するよう助言しています。残念ながら、心臓発作による犠牲者の約50％が911に電話していません。」

「症状は現れたり消えたりするかもしれませんが、心臓病そのものはそうではありません。症状を認識し、すぐに治療を始めて下さい。」

とミルゼイ博士は述べています。

【以下のウェブサイトより引用】

REUTERS