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JapanRx / 爪真菌の治療開始前に行う確認検査の費用対効果とは?

爪真菌の治療開始前に行う確認検査の費用対効果とは?

JAMA Dermatologyのオンラインで掲載された記事によると、以前発表された文献からのデータに基づく分析では、高価な局所薬エフィナコナゾール10%による治療前の確認試験が、事前に確認診断テストを実行するよりも、経口薬テルビナフィンと爪真菌(爪白癬)と疑われる全ての症例を治療するためによりコスト効果的であることを示唆しており、コスト削減と関連していました。

爪真菌症は、成人の爪の最も一般的な疾患です。ガイドラインでは、全身療法を開始する前に確認試験を行うことを医療従事者へ奨励しています。
1990年代からの研究で費用効果的であると判断されていながら、この治療法は、最近まで再評価されていませんでした。

ボストンにある、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のアラシュ モスタギミ博士、および共著者は、以前に発表された文献からのデータに基づいて分析を行い、すべての疑いのあるケースやスクリーニング、および2種類の治療を含む爪真菌の診断と治療のための3つのアプローチを比較研究しました。

 

テルビナフィンの12週間のコースに関連した肝臓酵素の治療モニタリングの費用は、1人の患者当たり、53米ドルでした。
一方で、爪ひとつ当たりのエフィコナゾール治療のフルコースの費用は、2,307米ドルでした。
水酸化カリウム(KOH)のスクリーニングを使用した確認試験の費用は 6米ドル、及び過ヨウ素酸シッフ(PAS)試験では 148米ドルでした。

薬剤誘発性肝障害データベースの臨床や研究情報は、50,000件〜120,000件の治療につき1件、テルビナフィンに起因する臨床的に明らかな肝障害の発生率を算出しています。
研究では、75%の疾患の有病率でのテルビナフィンでの肝損傷を避けるために、全体的な組み合わせの費用は、水酸化カリウム(KOH)を使用してのスクリーニングで、18.2百万ドルと43.7百万ドルの間、そして、過ヨウ素酸シッフ(PAS)を用いてのテストでは、37.6百万ドルと 90.2百万ドルの間だったことを示しました。

しかし、研究によれば、エフィコナゾールによる治療前の確認試験は、KOHスクリーニングとPASテストを使用して、患者の爪ひとつ当たりそれぞれ、272米ドルと406米ドルの節約に関連していました。

「爪真菌症の確認試験は、まだ臨床ケアという位置取りです。爪真菌症の治療用の新規かつ高価な薬として、エフィコナゾール10%の登場は、コスト抑制の時代においての確認検査の価値を増強します。」と研究は結論付けています。

社説:爪真菌症の治療における実験室試験の必要性を再評価

(記事元)https://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151223130024.htm