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炎症性腸疾患の対処法を学ぶ

炎症性腸疾患(IBD)は、世界中で500万人以上が罹患しています。
最も一般的なIBDには、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)が挙げられます。

UCおよびCDは、腸や胃腸管に影響を及ぼします。
これは炎症を引き起こし、腸内や身体の他の部位に現れる症状に繋がります。
UCとCDはどちらも慢性疾患であり、進行性かつ生涯に渡って継続する傾向にあります。

また、これらは決まって再発、寛解するため、IBD患者は症状が出ない期間があるものの、再び「再燃」し症状を呈することとなります。

主な症状は次のとおりです。
  • 下痢
  • 腹痛(時として下痢に伴う)
  • 血や粘液が混じった便通
  • 体重減少
  • 疲労
  • 発熱
  • 吐き気や食欲不振
  • 体調不良
腸以外では、以下のような症状が現れることがあります。
  • 口腔内潰瘍
  • 関節痛(特に腰や骨盤、背部)
  • 皮膚の発疹
  • ブドウ膜炎などの炎症を含む目の症状
IBDの原因は正確に分かっていません。
15歳以上の人に発生する傾向がありますが、時々幼い子供にも発生することもあります。
IBDに罹患した親戚がいる場合あなたも同じ症状を発症する可能性が高まるため、確実に遺伝的要素が存在します。

喫煙者はCDの発症率がはるかに高く、症状も重度になりがちです。
しかし変わったことに、潰瘍性大腸炎はその逆であり、非喫煙者の方がリスクが高くなります。

IBDの診断には、胃腸科専門医もしくは結腸直腸外科医いずれかの専門医への紹介状が必要です。
医者はあなたの病歴を調べ、炎症や貧血を確認するための血液検査を実施し、大腸内視鏡検査と呼ばれる特別な検査を行います。

これは簡単な処置であり、柔軟性のあるカメラが肛門から腸へ挿入されます。
このカメラは腸の内層にある炎症や潰瘍の有無を確認し、腸壁組織を採取することで生検を行うことができます。
この検査は、通常軽く麻酔をかけた状態で行われます。

IBDと診断された場合、次の2点に焦点を当てた治療が行われます。
  1. 再発を抑え、症状を速やかに軽減する
  2. 寛解の数と頻度を減らす
急性の再発が起こった場合、恐らくステロイド(プレドニゾンとして知られる)を処方されるでしょう。
こうした薬は、すぐに炎症を落ち着かせてくれます。

症状が腸の下部に限定されている場合はステロイドは浣腸の形で腸から、もしくは経口錠として摂取することもできます。
残念ながら、ステロイドは長期間使用すると副作用があるため、継続的な使用には適しません。

IBDの治療によく使われるもう一つの薬には、メサラジンがあります。
これは、アミノサリチル酸として知られる薬の分類の一つです。
ステロイドと同様に、これらの薬は炎症部位に応じて経口または直腸から摂取することができます。
再発を抑えるために使用されますが、再発防止のために長期間使用することもできます。

IBDの症状がより重症の場合には、免疫抑制薬として知られるより強い薬物療法が必要となるかもしれません。
こうした薬は再発の回数や重症度合を非常に効果的に軽減することができますが、
身体の免疫力を低下させる作用があるため、残念ながらリスクがない訳ではありません。

IBDの症状があると思われる場合は、直ちに医師の診察を受けることが大切です。
時に、特にCDの再発は非常に深刻であり、命にかかわることさえあります。
長期的なUCとCDは、どちらも僅かながんのリスク上昇に関連しているため、
定期的な大腸内視鏡検査による継続的な監視を行うことが重要です。

更なる詳細は、crohnsandcolitis.org.nzにてご確認いただけます。

出典:2015年6月5日更新『Learning to live with an inflamed bowel』stuff(2019年4月3日に利用)
https://www.stuff.co.nz/life-style/well-good/teach-me/69095534/null