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JapanRx / 気候変動による喘息への影響

気候変動による喘息への影響

気候変動はすでに気温、空気、水質に関して大きな変化を引き起こしており、これらは、今後、数十年以内に悪化するように予想されています。

その結果として、特に喘息などの呼吸器系のアレルギーなどの人体での健康がほぼ確実に影響を受けます。

喘息は、喘鳴、咳、呼吸困難が不定期的に発生することを特徴とする慢性肺疾患であり、特に喘息発作時にその症状は顕著です。

このような発作は、吸入器で簡単に管理が可能で、長期的に投薬を行うことで最小限に抑えることができます。

喘息発作は、花粉や動物の皮屑、車の排気ガスや山火事などによる大気汚染、粒子状物質や高いオゾンレベルなどの汚染物質やアレルゲンによって引き起こされる傾向があります。

喘息の有病率は過去数十年に渡り増加しており、今後も増加し続けることに注意することが重要です。

 

気候変動と喘息

気候変動は必然的に人間の健康全体に影響を及ぼします。

たとえば、生態系の変化は、マラリアやライム病などの特定の病気を媒介する動物による伝染に影響を及ぼします。水質や淡水の利用にも変化が生じ、コレラや有害なアオコが繁殖する可能性が高くなります。

そして遂には大気質と汚染レベルが変化し、喘息を含む呼吸器アレルギーの可能性が高まります。

具体的には、大気質に関しては、気候変動がすでに顕著な影響を及ぼしており、特に開発途上国では化石燃料への依存度が高まるにつれて、大気汚染が悪化するばかりです。

化石燃料とは程遠い先進国でさえ、気温の上昇や、山火事や森林、野原の意図的な焼却(野焼き)、交通汚染によるスモッグや世界規模の大気圏のオゾンレベルへの壊滅的な影響による大気質への地球規模の気候変動の影響が依然として見られます。

温暖な気候はまた、雷雨が発生する可能性を高めます。

これらは、花粉の多い季節に発生すると、花粉、ほこり、カビアレルギーを悪化させ、喘息発作の有病率を高める可能性があります。

さらに、気温が高いほど家の中でカビの成長が促進され、喘息やその他のアレルギーの引き金になることもあります。

 

 

花粉が増えるのはなぜ?

植物は大気中の二酸化炭素(CO2)を使用して光合成し、O2を生成して空気を補充します。

これは、空気から過剰なCO2を浄化する自然な方法で、多くの国では、そうするために何百万本もの樹木を植えています。

花粉数にいくつかの注目すべき課題があります。

特に、大気中にある大量のCO2は、植物の成長をより速く、より大きくし、花粉の効力を高め、開花期をより極端に早くする可能性があります。

そして、終には、温暖な国での特定の植物や草の地理的分布が、熱帯から、以前は寒かった気候の地域に移行し、ブタクサ(高アレルギー性の植物)を含む新しいアレルギー性植物種が入り込んできます。

 

花粉数の増加を引き起こすのは木や花だけではありません。

春先に咲く亜熱帯草の多くの品種も、気候変動の影響を大きく受けます。

これらの草はより暖かい温度に反応し、地球の気温が上がると、これらの種はより早く、より顕著に開花し、より早くより頑強な花粉の飛散につながります。

 

さらに、そのような変化は、農村部と比較してCO2と気温の上昇が高い都市部でより顕著です。

したがって、気候が変化し続けるにつれて、都市に住む人々は農村部に住む人々よりも、喘息に関してはより苦しむ可能性があります。

 

汚染とアレルゲンのレベルの増加に加えて、気候変動は免疫系にも影響を与えると考えられています。

より高い気温は、免疫グロブリン結合(特にIgE)の増加に関連しており、その特定の花粉、例えば、カバノキ花粉は、IgEに対してより高い親和性で結合します。

 

CO2レベルの増加は、IgEに結合するブタクサのAmba1(花粉アレルゲン)レベルの増加につながります。

さらに、気候変動に伴い、雷雨の頻度が増えると、花粉の構造と浸透圧での破裂によって引き起こされる花粉のレベルがさらに高まり、バイオエアロゾルが形成され、大気中により多く拡散します。

増加しているのは花粉レベルだけでなく、喘息を引き起こしたり喘息発作を悪化させたりする可能性のある他の汚染物質もあります。

オゾンの吸入は、気道の損傷と炎症によって引き起こされる「急性肺機能障害」と「気道の反応性の増加」においてよく知られている原因です。

1時間で50ppbの増加でさえ、子供の喘鳴と胸痛の増加につながり、より高いレベルでは緊急投薬が必要になります。

オゾン層での大気汚染を相まって、粒子状物質、ディーゼル排気粒子(交通汚染、スモッグ)、窒素、二酸化硫黄の通過性が高まり、花粉やほこりなどのアレルゲンが肺に浸透して侵入し、素因のある人には炎症や喘息発作を引き起こします。

さらに、空気中の特定の汚染物質は、実際には花粉粒の表面に付着する可能性があり、たとえば、花粉のアレルゲン特性を高める可能性があります。

 

終わりに

要約すると地球の気温、CO2、オゾンレベルの上昇、大気汚染やアレルゲンレベルの上昇により、喘息の有病率は上がります。

気候変動による悪化を防ぐためには、温室効果ガスの排出は汚染レベルを下げるための抜本的な対策が直ちに必要です。実質的なヘルスケアの問題が顕在化する前では、人間の健康への悪影響も軽減されます。

最も抜本的な対策でさえ、そのような影響を最小限に抑えるには数十年かかるかもしれませんし、それでも、多くの国が温室効果ガスの排出と粒子状物質を排出し続けるでしょう。

花粉を避け、長期投薬を継続し、また、発作時の緊急投薬の継続といった個人的な習慣は、その影響を受けている人には強く必要とされています。

 

 

【以下のリンクより引用】

The Effect of Climate Change on Asthma

News Medical Net