母乳と牛乳由来の強化ミルクを与えられた未熟児においての腸バイオームの多様性を比較

カナダの多くの機関と提携している研究者チームは、母乳由来のミルク強化剤と牛乳由来のミルク強化剤を与えられた早産児の腸内微生物叢に違いがあることを発見しました。

Cell Host & Microbe のオンライン版に掲載された論文の中で、このグループは、未熟児にミルク強化剤を与えることの利点についてさらに学ぶために実施した三重盲検無作為化臨床試験について説明しています。

過去数十年にわたり、医学者や医師は、早産児にミルク強化剤を与えると、母乳やミルクフォーミュラだけを与えるよりも体重が増えて健康になることを発見しました。

最近では、牛乳ベースの栄養強化剤 (BMBF) を使用して作られたミルク栄養強化剤を使用することが、母乳ベースの栄養強化剤 (HMBF) よりも未熟児に適しているかどうかについて議論が生じています。
この新しい研究において、研究者はいずれかのミルク強化剤を与えられた未熟児の腸バイオームへの影響についてさらに学ぶ目的で臨床試験を実施しました。

この試験では、BMBFとその他のHMBF を用意した病院で一部の未熟児、その後、未熟児からの糞便サンプルを調べ、腸内細菌叢の多様性に対する 2 種類の栄養強化剤の影響について詳しく調べました。

研究者らは、HMBF を投与された乳児では平均して微生物の多様性が低いことを発見しました。

彼らはまた、細菌叢の構造と機能に違いがあることも発見しました。

彼らは、BMBF は粉末状で調達されたのに対し、HMBF は液体状で調達されたため、投与量の違いによる微生物の変化に多少の違いがあった可能性があることに注意しています。

彼らはまた、未熟児の腸内細菌叢の構成の違いが全体的な健康に関連しているかどうかはまだわかっていないとしています。

しかし、別のチームが Cell Reports Medicine で同様のテスト結果を発表しようとしているため、この研究においての研究者による発見はこの話題においての結論ではない可能性があります。

そして彼らの研究結果は、HMBFを与えられた未熟児とBMBFを与えられた未熟児の間で腸内細菌叢にほとんど、または、まったく違いがないことを示しました。

彼らはまた、自分の母親の母乳に由来するHMBFを与えられた乳児は、便中のベイロネラ菌のレベルが高く、それは、乳児が喘息を発症するのを防ぐのに役立つことを発見しました。

 

【以下のリンクより引用】
Comparing gut biome diversity in preemies fed human versus bovine-derived milk fortifiers

Medical Xpress

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