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東京都民はCOVID-19集団免疫を発達させた可能性がある

日米の研究者は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する集団免疫が、この夏の間に東京都民の間で発達した可能性があることを研究で示しました。

 

SARS-CoV-2は、世界を席巻し続けている現在のコロナウイルス疾患2019(COVID-19)のパンデミックの原因であるウイルス性物質であり、人の健康に重大な脅威をもたらしています。

林田康隆氏(医療法人社団康梓会)とボストン小児病院およびボストンのベスイスラエルディーコネスメディカルスクールの同僚は、彼らの研究から、SARS-CoV-2の血清有病率がほぼ50%に上昇し、ほぼ同時にCOVID19 の症例が都内で減少したことを示しました。

「我々のコホート内でSPR (血清陽性率)が50%近く上昇したことで、COVID-19の症例が衰退した時期に合わせて、特に東京のような高密度の都市では、集団免疫ができている可能性を考慮する必要があります。」

と、研究チームは記しています。

 

ロックダウンを行わずして日本の死亡率は低下

米国や欧州諸国と比較して、日本はCOVID-19関連の死亡率が低く、ロックダウンを行っていないにも関わらず死亡率が低下しています。

死亡率が低い理由はまだわかっていません。

それらは、一般集団全体でのSARS-CoV-2有病率の低さ、または感染症例での死亡率の低下に関連している可能性があります。

根本的な要因を区別するには、SARS-CoV-2の有病率データ、特に無症候性症例を一般集団で表すデータが必要です。

 

この研究には何が含まれていたのか

夏の間のSARS-CoV-2の血清陽性率を推定するために、研究チームは東京の11か所の異なる場所から大企業での1,877人の健康で無症候性だった社員を登録しました。

2020年5月26日から8月25日まで、全社において、SARS-CoV-2特異的免疫グロブリンG(IgG)およびIgM抗体の血清学的検査が毎週実施されましたが、この期間には日本で発生した『第2波』の状況がよく記録されていました。

 

東京の一般住民のセロコンバージョン(血清転換)とセロレバージョンを経時的に推定するために、各参加者に2か月間、約1か月間隔でテストが行われました。

血清陽性率は、コホート全体の各2週間のウィンドウからデータをプールすることによって計算されました。

SARS-CoV-2に対する免疫学的状態の変化は、同じ参加者から得られた2つのテストの結果を比較することによって決定されました。

平均40.8歳の650人は検査を1回受け、そのうちの350人(平均42.5歳)は2回目の検査を受けました。

 

 

夏の間、血清陽性率は劇的に上昇

血清陽性率は、研究が始まった時の5.8%から夏の終わりまでに予想外に高い46.8%に上昇しました。

「東京の高い血清陽性率は、その非常に高い人口密度、人と人との狭い間隔、公共交通機関の広範な利用、およびロックダウンの実施がないことを考えると、完全に予想外ではないかもしれません。」と林田氏らは述べています。

両方の検査を受けた350人のうち、最初に血清陰性であった252人のうち54人(21.4%)が、2回目の検査が完了するまでに血清陽性となりました。

最初の検査で血清陽性であった残りの98人のうち、12人(12.2%)が血清陰性となりました。

「血清再転換はまれではなく、テスト間の1か月の期間で12%の参加者に見られました。」

と研究チームは言います。

「これは、特に無症候性の集団に適用した場合、血清学的検査が過去のCOVID-19感染を大幅に過小評価する可能性があることを示しています。」

 

調査結果はより広い大都市圏で一般化することが可能

研究者らは、研究コホートは東京のより広い無作為な人口集団のサンプルから選択されたわけではなかったものの、この調査結果は、参加者各自の物理的な接触が限られていた複数の異なる地域の参加者など、いくつかの理由により依然として、大都市圏で一般化することができます。

さらに、症候性を示した個人を除外することが、全体的な血清陽性率の過小評価につながる可能性があります。

 

集団免疫の可能性を考慮する必要がある

「COVID-19感染は、致死率が非常に低い状態で、東京の一般人口に広く広がっている可能性があります。」

林田氏と彼のチームは言います。

日本は強制的なロックダウンを実施しないという非典型的な措置を取ったものの、それでも第2波のピークを過ぎ、収まったと彼らは付け加えました。

「シャットダウンを行わない状態での血清陽性率の上昇と、報告されたCOVID-19症例の減少との時間的な相関関係を考えると、集団免疫が関係している可能性があります。」

と研究者らは示唆しています。

「今後の研究では、ライフスタイルや習慣、ウイルス株、マスクの広範な使用、または免疫学的記憶などの宿主因子が、観察された低死亡率の原因であるかどうかが評価される可能性があります。」

と彼らは結論付けています。

 

 

【以下のリンクより引用】

 

Tokyo citizens may have developed COVID-19 herd immunity, say researchers

News Medical Net