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JapanRx / 新しい経口避妊薬は、副作用として卵巣がんを予防する?

新しい経口避妊薬は、副作用として卵巣がんを予防する?

長期的に行われた研究により、避妊薬の使用と、大腸や子宮内膜、卵巣を含む特定のがんのリスク低下との間の関連が明らかになりました。

しかし、これらの研究は数十年に渡って行われたため、古い型の経口避妊薬も含まれていました。
研究者らは、異なる配合やホルモン濃度で作られた新しい経口避妊薬が、こうしたリスク減少に繋がる可能性があるかどうかを調べることにしました。

9月26日、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルにて「デンマークにおける現代のホルモン避妊薬をと出産可能年齢女性の卵巣がんとの関連性: 全国的、プロスペクティブなコホート研究」というタイトルの論文が掲載されました。

研究チームは、1995年から2014年の期間に、15歳から49歳のデンマーク人女性180万人以上のデータを調べました。
被験者は、ホルモン避妊薬を一度も使用したことがない女性、現在使用しているもしくは最近1年以上の期間使用した女性、以前1年以上の期間使用していた女性の3種に分類されました。

卵巣がんのリスクは、ホルモン避妊薬を一度も使ったことがない第1群で最も高いことが判りました。
一方、エストロゲンとプロゲスチンの配合薬を使用したことがある女性のリスクははるかに低い結果となりました。

このリスク軽減効果は、プロゲスチン単体の避妊薬を使用した女性には見られませんでした。
しかしこれは、参加者の大部分が配合薬を使用していたため、データ不十分による結果であった可能性があります。

筆頭著者であるリサ・イベルセン博士は、次のように述べています。
「調査結果は、混合型経口避妊薬と卵巣がんリスク低下の関連性を継続的に示しており、これは現代のホルモン薬を使用している出産可能年齢の女性にとって心強いものでしょう。」

しかし、彼女はこの研究は因果関係を確立しておらず、関連性のみを示す点についても言及しています。
ただ、もしこの避妊薬ががん予防に役立つとすれば、研究に参加したデンマークの女性グループの卵巣がんの21%が、避妊薬の使用によって予防されたと推定されています。

この研究におけるもう一つの制約は、女性が50歳になっても追跡されなくなったことです。つまり、この年齢以降がんの診断を受ける可能性については考慮されていませんでした。

ニューヨークにあるレノックス・ヒル病院の産科医/婦人科医であるジェニファー・ウー医師は、研究には参加していませんが、
この調査結果は新しい避妊薬の”潜在的な利益を再確認するものである”と述べています。

卵巣がんは、症状が卵巣全体に広がった後期段階まで症状が出ないため、特に危険です。
米国癌学会によると、診断を受けてから5年間生存した女性は、全体の約47%のみとなっています。

ウー医師は、次のように述べています。「卵巣がんの診断には時間がかかり、長期生存率が低いため、予防が不可欠です。」
また、こう続けました。「患者に避妊薬を処方する際には、卵巣がんの減少を考慮する必要があります。」

Medical Daily 2018年09月28日
https://www.medicaldaily.com/preventing-ovarian-cancer-could-be-side-effect-new-oral-contraceptive-4...