電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 新しい研究は生まれ持ったホルモンと免疫疾患の生涯リスクを結びつけた

新しい研究は生まれ持ったホルモンと免疫疾患の生涯リスクを結びつけた

生物学的な性の違いが生涯にわたる疾患パターンを左右する可能性があると、ミシガン州立大学の研究者による新しい研究では述べられています。

その研究では、出産前後に存在する特定のホルモンと免疫反応および生涯にわたる免疫疾患の発症との関連について調査が行われています。

『全米科学アカデミー議事録(the Proceedings of the National Academy of Sciences)』の最新版で発表されたこの研究は、喘息、アレルギー、片頭痛、過敏性腸症候群などの免疫系が関与または標的とする一般的な疾患のリスクが女性に高まる理由に関する疑問に答えるものです。

アダム・モーザー氏、エミリー・マッケイ氏、そしてシンシア・ジョーダン氏による調査結果は、また、新しい治療法と予防薬への扉を開くものです。

 

「この研究は、生涯にわたってマスト細胞関連疾患を発症するリスクに大きな影響を与えるのは、私たちの成人の性ホルモンではなく、周産期ホルモンであることを示しています。」

と、モーザー氏は述べています。

「周産期の性ホルモンが生涯にわたる『マスト細胞』の活動をどのように形成するかについてのより良い理解は、マスト細胞関連疾患の性別での予防と治療につながるかもしれません。」

マスト細胞は、体内で有益な役割を果たす白血球です。

研究によると、マスト細胞は、感染と毒素に対しての第一線の防御を組織する細胞で、創傷治癒に重要な役割を果たしています。

「周産期のアンドロゲンは肥満細胞の性差を組織化し、アナフィラキシーの重症度を成人期に緩和させます。」

しかし、マスト細胞が過剰反応すると、慢性炎症性疾患を引き起こし、場合によっては死に至ることがあります。

 モーザー氏の以前の研究では、心理的ストレスを特定のマスト細胞受容体および過剰反応性免疫反応に関連付けていました。

モーザー氏は以前にマスト細胞の性差も発見しました。

女性のマスト細胞は、男性と比較して、プロテアーゼ、ヒスタミン、セロトニンなどのより多くの炎症性物質を貯蔵および放出します。

したがって、女性のマスト細胞は男性のマスト細胞より敏感に免疫反応を起こす可能性が高いのです。

これは、感染症があることで女性に優勢となるかもしれませんが、女性を炎症性疾患や自己免疫疾患のリスクにさらす可能性もあります。

 「過敏性腸症候群(IBS)はその一例です。」

とマッケイ氏は言います。

「米国の人口の約25%がIBSに罹患していますが、女性はこの病気を男性より最大で4倍多く発症する可能性があります。」

モーザー氏、マッケイ氏、およびジョーダン氏の最新の研究では、これらの性差のある疾患パターンが、成人と思春期前の子供で観察される理由を説明しています。

彼らは、出生の直前と直後に存在する特定の性ホルモンである『周産期アンドロゲン』が自然に高レベルであるために、血清ヒスタミンのレベルが低く、アナフィラキシー反応の重症度が低いことを発見しました。

 

「マスト細胞は骨髄の幹細胞から作られます。」

とモーザー氏は述べました。

 「高レベルの周産期アンドロゲンは、マスト細胞幹細胞をプログラムして、低レベルの炎症性物質を収容および放出し、その結果、男性の新生児および成人におけるアナフィラキシー反応の重症度が大幅に低下します。」

「その後、機能的なアンドロゲン受容体を欠く男性を研究することにより、アンドロゲンが役割を果たすことを確認しました。」

と神経科学の教授であり、性差の生物学の専門家であるジョーダン氏は述べました。

周産期のアンドロゲンレベルが高いのは男性に特有なのですが、研究者たちは、子宮内では、男性レベルの周産期アンドロゲンに曝された女性は男性のマスト細胞に似た振る舞いをすることを発見しました。

「これらの女性にとって、周産期のアンドロゲンへ曝されることでヒスタミンのレベルが低下し、成人と同様にアナフィラキシー反応はそれほど深刻ではありませんでした。」

とノースカロライナ州立大学の獣医医学生であるマッケイ氏は述べました。

性的に偏った免疫学的疾患およびその他の疾患の改善についての潜在的に新しい治療法への道を開くことに加えて、将来の研究をベースは、人生の早い段階で発生する生理学的および環境的要因が生涯にわたる疾患リスク、特にマスト細胞性疾患をどのように形成するかを研究者が理解するのに役立ちます。

「生物学的性ホルモンと成人性ホルモンは男女間の免疫疾患に大きな影響を与えることが知られていますが、子宮内で曝されるホルモンが、成人にも子供にも、マスト細胞関連疾患リスクの性差を決定する上でより大きな役割を果たす可能性があることが研究されています。」

 

 

【以下のリンクより引用】

 

New research connects the hormones we're born with to lifetime risk for immunological diseases

Medical Xpress