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JapanRx / 抗うつ薬「SSRI」がストレスよる心筋虚血を抑制

抗うつ薬「SSRI」がストレスよる心筋虚血を抑制

狭心症や心筋梗塞などの心臓病は、心臓の筋肉への血流が不足すること(心筋虚血)によって起こる。こうした心臓病患者にうつ病などの治療薬「SSRI」を服用させたところ、精神的なストレスによる心筋虚血の発生が抑えられたと、米デューク大学医療センターのWei Jiang准教授らが米医学誌「JAMA」に発表した。  

心筋虚血の原因は動脈硬化などの生活習慣病が有名だが、精神的なストレスによっても起こる可能性が指摘されている。
Jiang准教授らは今回、2007年7月~2011年8月にデューク大学傘下の循環器クリニックを受診した21歳以上の心臓病患者のうち、精神的ストレスによる心筋虚血が確認された127人を、SSRIの「エスシタロプラム」(日本での商品名レクサプロ)を服用するグループとプラセボ(偽薬)を服用するグループに、ランダムに振り分けた。
精神的ストレスは(1)暗算、(2)鏡映描写(鏡に映った手元を見ながら図形を正確になぞるテスト)、(3)怒りを思い起こす状況でのスピーチ、で、行ったという。  

6週間後まで追跡できた112人(各グループ56人)を検討した結果、精神的ストレスをかけても心筋虚血が発生しなかった人の割合は、プラセボグループで17.5%だったのに対し、SSRIグループでは34.2%と高かった。
また、運動による心筋虚血の発生率はそれぞれ52.5%、45.8%と、わずかながらSSRIグループで低かった。  
さらにSSRIグループでは、心臓や血管に関係する体の状態の改善が見られたことから、Jiang准教授は「われわれの仮説を支持する結果が得られた」と述べている。  
共同研究者で同センター循環器内科のEric J. Velazquez准教授は「医師は、精神的ストレスが心臓病に悪影響を及ぼす可能性を認識しておく必要がある。患者の生活習慣について話し合い、精神的ストレスの程度、その対処法の適切かどうかや精神衛生に焦点を絞った支援の必要性について判断すべき」と指摘している。

記事元:http://kenko100.jp