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手洗い:皮膚疾患がある人のための専門家からのアドバイス

COVID-19の潮流を食い止める対策として、すべての主要な保健機関からのアドバイスは、適切かつ頻繁に手を洗うことです。

 

ただし、定期的な手洗いは、湿疹や乾癬などの皮膚の状態を悪化させる可能性があります。

ここでは専門家のアドバイスを紹介します。

                     

中国武漢から始まり、現在『SARS-CoV-2』と名付けられた新型コロナウイルスは、南極大陸を除く地球上のすべての大陸に広がっています。

ウイルスは科学にとって新しいものであるため、研究者はいまだに疾患を予防、治療、または治療する方法を模索しています。

世界保健機関(WHO)や疾病管理予防センター(CDC)などの機関は、推奨事項を定めています。

これらの最前線には、アルコールベースのハンドジェルまたは石鹸と水で徹底的に手を洗うことがあります。

 

肌の状態と手洗い

手洗いは、感染症の広がりを遅らせる最も強力な方法の1つです。

ただし、湿疹や乾癬など、特に乾燥肌や皮膚疾患がある場合、過度の手洗いは肌の損傷や痛みを引き起こす可能性があります。

健康な肌の人でも、石鹸や手指消毒剤を使いすぎると、肌が乾燥してひび割れます。

 

皮膚科のコンサルタントであり、ブリティッシュスキン財団の広報担当者であるザイナブ・ラフタ博士は、本誌に次のように説明しています。

「手指消毒剤と手洗いを繰り返し使用すると、表皮(一番上の皮膚層)のタンパク質が剥がれ、皮膚のバリアが損なわれて感染リスクが生じます。

さらに、石鹸が刺激となり手皮の膚炎を引き起こす可能性があり、これは、特に指先の間と指の関節に、皮膚が乾燥し鱗状となりかゆみを伴う赤い皮膚として現れます。」

これを避けるため、ラフタ博士は「通常の保湿剤の使用」を推奨しています。

 

皮膚の疾患がすでにある人は、損傷リスクが高くなります。

これらの人々は、クロルヘキシジンや塩化ベンザルコニウムなどの抗菌成分を含む保湿剤による手洗いが勧められるとラフタ博士は説明します。

しかし彼女は最近の研究では、これらの殺生物成分を含む手指消毒剤は、コロナウイルスの根絶においてはアルコールベースのハンドジェルよりも効果は低いと報告されていることを指摘しています。

手の保湿に加えて完全に乾燥させることも重要です。

それには2つの重要な理由があります。

まず、手が濡れていると細菌がより簡単に移動します。

ラフタ博士の説明では、第二に、水自体が皮膚からの蒸発する時に皮膚にある天然のオイルを減らすことで皮膚を乾燥させる効果があるため、皮膚の保護バリアが損なわれます。

全体的として、ラフタ博士は次の2つの選択のいずれかを推奨しています。

 

石鹸または保湿剤と水で手を洗った後に保湿

アルコールベースのハンドジェルを使用し、その後、保湿をします。

同時に保湿すると、ハンドジェルの抗菌特性が損なわれる可能性があります。

博士は次のように追加します。

「泡立つタイプの保湿剤は石鹸の代用品として作用し、手での乾燥が少なくなります。そのため、肌にひび割れがある人は、これが、より心地よいと感じるかもしれません。」

続いて、コンサルタント皮膚科医であり、ブリティッシュスキン財団のスポークスマンでもあるアディル・シェラーズ博士は次のように説明しています。

「患者がアルコールまたは消毒ジェルを使用する必要がある場合(これは湿疹または皮膚の状態を悪化させる可能性があります)、その後、皮膚刺激を最小限に抑えるために、すぐに皮膚の軟化薬をつけてください。」

 

手洗いの影響を最小限に抑える

本誌は、「コロナウイルス感染のリスクを減らすための政府の指導に従うことを、人々に躊躇わせたくありません。手洗いはこの重要な部分です。」

と強調する英国皮膚科医協会に連絡を取りました。

手洗いの増加がすでに損傷している皮膚に与える影響を最小限に抑えるため、彼らは次のアドバイスを提供しています。

・保湿剤、または皮膚軟化剤は、手の皮膚炎の治療には不可欠です。

・損傷をうけた外皮を修復し、水分を皮膚の内部に閉じ込めます。人々は、一日中、そして肌が乾燥したと感じるたびに、それらを繰り返し適用する必要があります。

・手を洗った後、皮膚軟化剤は塗布することが役立ちます。

 

彼らは一部の人では、皮膚軟化剤を手に塗布し、手袋をはめた状態で就寝することで効果が見られる可能性があると助言しています。

皿を洗ったり、洗剤を使ったり、子供の髪を洗ったりするときには、ラテックス製、またはゴム手袋を着用して手を保護することができます。

 

免疫抑制剤

いくつかの皮膚の状態には免疫が関係することがあります。

このため、医師はメトトレキサートやシクロスポリンなどの免疫抑制剤を処方することがあります。

一部の人はこれを心配し、薬の服用を止めた方が良いかどうか尋ねます。

 

シェラーズ博士は次のように述べています。

「免疫抑制剤を服用している人は必然的にCOVID-19になるリスクが高くなること、またはこのような人々の病気がより深刻な経過をたどるという証拠はありません。しかし、このウイルスについて学ぶべきことはまだたくさんあるため、政府の助言に従うことが不可欠です。」

英国皮膚科医協会はこの姿勢を繰り返し述べています。


彼らは次のように明言しています。

「皮膚疾患に使用されるクリームは、皮膚科医や医師が推奨する正しい使用量であれば、COVID-19に感染したり、より重篤な病気にかかったりするリスクを高めるといった可能性はありません。」

彼らは次のように書いています。

「現在、ほとんどの人は、アドバイスの根拠となる証拠が見つかるまで治療を続けることを選択しています。治療を中止することに関する決定には、皮膚の状態が悪化する可能性があるということを考慮する必要があります。また、今後、数か月に渡り医療機関に通うことはより困難になる可能性があります。」

「残念ながら、こういった患者に対する包括的な回答はありません。」

と、シェラーズ博士は述べました。

症例ごとに決定を下す必要があります。免疫抑制剤の投与を中止すると、根本的な症状が再燃する可能性があります。これを考慮する必要があります。」

包括的なテーマとしては、手洗いが不可欠であり、特に手や皮膚が乾燥している人は、皮膚の損傷を最小限に抑えるために皮膚軟化剤を使用する必要があります。そして、保湿石鹸の代用品の購入を検討してください。

 

 

【以下のリンクより引用】

Hand washing: Expert advice for people with skin conditions

Medical News Today