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JapanRx / 心臓病は脳に長期的な影響を与える

心臓病は脳に長期的な影響を与える

新しい研究では、冠状動脈性心疾患の診断を受けた患者は、後に認知機能が低下するリスクが高いことが示されています。

月曜日にアメリカ心臓病学会誌にて発表されたこの研究では、患者が診断を受ける前よりも、受けた後の方が、言語記憶や時間定位 を含む認知検査のスコアが低くなることがわかりました。

「この研究によって、数が増えてきている心臓と脳の相互作用に関する文献がまた一つ増えました。」と、ラッシュ女性心臓センターの研究部長及び心臓病認知クリニックの認知神経学者であるニーラム・T・アガルワル博士は述べています。
彼女はこの研究には携わっていませんでした。

「寿命が延びるにつれて心臓病による認知機能障害が増えており、またより多くの人が心臓の手術や薬物療法を受けています。」と、アガルワル氏はメールの中で述べました。

この研究の著者は、この問題に関する以前の研究では、多くの場合脳卒中のような症状の役割に焦点が当てられており、時折その後認知機能の低下が加速することが示されていたと話します。
しかし、この新し研究では、脳卒中のない成人を平均12年間追跡調査し、心臓発作や狭心症(心臓への血流が減ることによって引き起こされる胸痛の一種)の診断を受けた人の集団を調査したところ、脳への長期的な影響があることがわかりました。

心臓発作を起こした患者は「狭心症を発症した患者と比べ、記憶力の低下速度が著しく速かった」と著者は述べています。

心血管疾患は様々な方法で脳に影響すると考えられていると、専門家は言います。
これは微小血管に影響し、脳の一部への酸素の流れを妨げる可能性があります。
これら2つの関連は、肥満や糖尿病、高血圧などの、人生の早い時期に始まる一般的な危険因子によって生じる可能性があります。
フィンランドにあるトゥルク大学による新しい研究と平行して発表された注釈によれば、この新しい調査結果では、血流や脳に影響する段階的プロセスが存在する可能性が示されているものの、作用秩序については明らかになっていないといいます。


他の外的要因があるかどうかも不明です。
例えば著者らは、新たに心臓病の診断を受けた患者に医師が処方する可能性のある薬やその他治療法による影響を排除することが出来なかったと述べています。

「認知機能低下の最大の原因を見つけ出すことは難しいかもしれません。」
アガルワル氏は、「心臓病患者は同時に複数の病状を有するため」であると述べています。

「薬は大きな要因です。」これは処方薬であるか否かによらないと、と彼女は付け加えました。

注釈によると、認知機能のスコアの差は「比較的小さい」とされていたにもかかわらず、この研究の著者は「認知機能のささいな違いでさえも数年後、認知症リスクの大幅な増加を引き起こすことがある」と述べています。
また彼らは、病気を治癒する方法は存在しないため、この問題に対する最善策は、早い段階で検出し、予防し、治療介入する方法を見つけることであると話しています。

アガルワル氏は、脳の健康状態に悪影響を与える可能性のある慢性疾患の患者を診る心臓病認知クリニックでの仕事をこなしながら、この研究には価値のあるメッセージが込められていると話します。

「最初のステップは、患者が自身のかかりつけ医に記憶力に関する懸念について相談するよう促すことです。」と、アガルワル氏は言います。
「殆どの場合、患者はこのことを口にしませn。」

彼女はまた、気分や睡眠といったその他可能性のある原因に対処するため、医師と患者が薬についてきちんと確認し合い、薬がきちんと処方通りに服用され、また全体の健康に良い影響を与え得るライフスタイルの変化について話し合うことを奨励しています。

「心臓に良いことは脳にとっても良いことなのです。」と、アガルワル氏は言います。

出典: 2019年6月17日更新 CNN News 『Heart disease can have long-term impact on the brain, study says』(2019年6月28日に利用)
https://edition.cnn.com/2019/06/17/health/heart-disease-dementia-study/index.html