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JapanRx / 幼少期における多量のグルテン摂取は、セリアック病リスクの上昇と関連している

幼少期における多量のグルテン摂取は、セリアック病リスクの上昇と関連している

パン屋パスタ、焼き菓子が好きな人にとっては悪いニュースです。
若い頃からグルテンを多く含む食品をたくさん食べると、最終的にグルテン不耐症を引き起こす可能性があります。

火曜日にJAMA誌に掲載された研究では、生後5年間の間に通常よりも多くのグルテンを摂取すると、小腸に損傷を与える消化器疾患であるセリアック病の発症率が高まることが示唆されています。

この研究によると、グルテンの摂取量が多いと、グルテンに対する免疫反応であるセリアックの自己免疫リスクが6.1%増加し、1日あたりのグルテン摂取量が1グラム増える毎に、セリアック病リスクが7.2%増加しました。

研究者は、米国、フィンランド、ドイツ、スウェーデンで2004年から2010年の間に生まれた6,600人以上の新生児を評価しました。
子供は全て、1型糖尿病とセリアック病に関連する遺伝子型を有していました。

研究著者は子供が5歳になるまでの期間、数カ月毎に子供のグルテン摂取量を記録し、各年齢における健康的な子供のグルテン基準摂取量と比較しました。

研究著者のカリン・アンドレン・アロンソン氏によると、この研究の過程で1,216人の子供(ほぼ20%)が、タンパク質に対して体の負の反応起こしていることを示す初期兆候である、セリアックの自己免疫を発症したといいます。
アロンソン氏は、スウェーデンにあるルンド大学の糖尿病&セリアック病部門で研究部長を務めています。

別の450人、約7%にあたる被験者がセリアック病を発症しました。
研究によると、ほとんどのケースで、2~3歳の間に診断が下されたといいます。


<セリアック病の罹患者は数百万人に上る>
セリアック病の診断を受けた人は、グルテンを食べると小腸の内膜が損傷し、栄養の吸収が妨げられます。
セリアック病財団によると、世界中で約100人に1人が罹患していると推定され、200万人を超える人が、自身がセリアック病を患っていることにすら気付いていない可能性があるといいます。

セリアック病発症の要因はグルテンの摂取であると感がれていますが、火曜日に発表されたこの研究によると、摂取量も大きく関わっているといいます。


<グルテンフリー食の人気がますます高まっている>
グルテン不耐症の無い人の間でも、グルテンフリー食品の人気は高まり続けています。
1940年代以来、この食事法は膨満感を軽減し、体重を減らす方法として宣伝されてきましたが、今日で全ての栄養学者がこの主張を支持している訳ではありません。

ダイエット中の人がグルテンを排除すると、栄養上の問題が出るリスクがあることがあります。
グルテンフリー製品では通常、グルテン成分がタピオカや米粉のような原料に置き換えられていますが、このような原料の大部分にはグルテンよりも多くのカロリーや砂糖、脂質が含まれていると、栄養士のジュリー・ステファンスキー氏は2018年にCNNの取材に答えています。
グルテン製品には繊維が豊富に含まれる他、ビタミンや鉄も含有されている可能性があるため、セリアック病を患っていない人がこうした栄養供給源を排除してしまうと、消化器障害を引き起こす可能性があると、彼女は話します。

シカゴ大学セリアック病センターによると、セリアック病を管理する唯一の方法は、グルテンを完全に排除することであるといいます。
アロンソン氏は、子供のセリアック病発症を防ぐため、この遺伝子をもつ幼児の親は、子供のグルテン摂取量を抑えるよう推奨しています。

とはいえ、彼女は、セリアック病の遺伝子型を持つ子供のためのグルテン摂取量の「安全な限度」はわかっていないと述べています。

出典 2019年12月26日更新 CNN health『Eating more gluten early in life is tied to children's higher risk of celiac disease, a study says)』(2020年1月3日に利用)
https://edition.cnn.com/2019/08/13/health/gluten-celiac-disease-children-trnd/index.html