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実験中の薬物は大うつ病に迅速な効果がある

2019年9月4日(Health Day News)- 抗うつ薬は通常、うつ病による衰弱症状を緩和するのに4週間~8週間かかりますが、新しいタイプの薬剤は、  初期の臨床試験では、わずか2週間で緩和が見られることがわかりました。

「新薬『SAGE-217』は完全に開発されると中等度から重度の大うつ病性障害患者においてのうつ症状を比較的迅速に、かつ臨床的に有意に緩和する可能性があります。」

と、研究著者でマサチューセッツ州ケンブリッジにある製薬会社Sage Therapeuticsのハンダン・ガンドゥス・ブルース博士は述べました。

この研究は、New England Journal of Medicine誌の9月5日号に掲載されており、研究資金は、Sage Therapeutics社から提供されました。

同号の社説の中で、シカゴ大学プリツカー医学部の精神科教授であるエミル・コッカロ博士は、生涯で大うつ病を経験するのは最大で16%だと    指摘しました。大うつ病の人は自殺のリスクが高いと彼は言います。

コッカロ博士によると、大うつ病の患者で現在利用できる抗うつ薬に反応するのは約60%のみです。

「うつ病を素早く改善できるものは何でも良いのです。これは非常に斬新な薬剤であり、市場の標準的な抗うつ薬よりもす速く作用する可能性が    ありますが、研究はまだ初期段階です。」

とコッカロ博士は述べました。

さらに、追加の試験がうまくいった場合でも、この薬が市場に出るまでには少なくとも数年かかる可能性があります。

新薬は、脳がガンマアミノ酪酸(GABA)と呼ばれる神経伝達物質を使用する方法に影響を与えます。

セロトニンなど、他の抗うつ薬は、脳内のさまざまな種類の神経伝達物質に影響を与えます。神経伝達物質は、脳細胞間で情報を送信する      化学メッセンジャーです。

ニューヨーク市にあるノースウェルヘルススタテンアイランド大学病院の精神医学および行動科学部長である、ティモシー・サリバン博士は、     GABAシステムは脳内の活動を監視および調節し、物事を遅らせると説明しました。

この研究はフェーズ2臨床試験であり、大うつ病を患う89人に行われました。

グループの半分には、SAGE-217が2週間、毎日与えられました。

残りの半分には毎日プラセボ錠剤が与えられました。

研究の開始時に、ボランティアはうつ病試験で平均約25点を獲得しました。

2週間後、薬を服用した人のスコアは17ポイント以上低下しましたが、プラセボを摂取した患者は10ポイントしか低下しなかったことを研究者は    発見しました。

「わずか2週間の治療で、うつ病患者に臨床的に意味のある反応が見られました。」とガンドゥス・ブルース博士は述べ、ほとんどの抗うつ薬の作用  には4週間〜8週間かかることを指摘しました。

報告された最も一般的な副作用は、頭痛、めまい、吐き気、眠気です。

ガンドゥス・ブルース博士は、研究者たちが現在、長期試験を実施していると話しました。

この薬は単独で使用することも、別の抗うつ薬と併用することもできます。

コッカロ博士は、現在の試験には治療抵抗性のうつ病の人は含まれておらず、このグループには「かなりの数」の大うつ病の人が含まれていると指摘しました。

ガンドゥス・ブルース博士は、研究者は治療抵抗性うつ病と薬がどの程度うまく機能するかを研究する予定だと述べました。

サリバン博士は、現在の研究は「エキサイティングで興味をそそる」ものであると述べましたが、それはまだ時期早々であるようです。

彼は、脳の新しい経路に対処する薬が開発されるのは素晴らしいことだと述べました。

「これらの所見が持続する場合、この薬は忍容性がはるかに高い薬となる可能性があります。」

とサリバン博士は述べました。

多くの人々は、感情が鈍くなっているように感じたり、体重増加や、性欲の喪失など、現在の治療薬による副作用に苦しんでいるためそれは重要だと付け加えました。

 

【以下のウェブサイトより引用】

Experimental Drug Works Quickly on Major Depression

Health Day