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JapanRx / 定期的な前立腺がんスクリーニング検査は死亡率を下げるが過剰診断に繋がる可能性

定期的な前立腺がんスクリーニング検査は死亡率を下げるが過剰診断に繋がる可能性

ヨーロッパの研究によると定期的な前立腺がんスクリーニング検査は死亡率を20%以上下げるが 過剰診断の増加にもつながり癌のスクリーニング検査に疑問がもたれています。 前立腺がんは男性では2番目に発症しやすい癌で2008年には世界で910000件の前立腺がんが 報告され、2030年までに170万件まで増えると考えられています。前立腺がんは40歳以下の男性 では稀であり50歳を超えてから発症率が大幅に増加します。米国では65歳を超えた男性の10人に 6人が前立腺がんと診断されます。 定期的な前立腺がんスクリーニング検査プログラムはありませんが 病気診断のためにPSA検査を受けることができます。前立腺が分泌する血中のPSA値を測定します。 値が高い場合には前立腺がんの兆候があります。 前立腺がんスクリーニング検査を受けるべきかは様々な意見があります。 例えば米国予防サービスタスクフォースは男性は症状がある場合のみ前立腺がんスクリーニング検査を受 けるべきだとしています。米国癌協会は50歳を超えた男性は前立腺がんのリスクにあると考え、前立腺 がんスクリーニング検査を受けるべきだとしています。イングランドでは組織された前立腺がんスクリーニング 検査はありませんが 前立腺がんのリスク·マネジメント·プログラムが存在します。 前立腺がんのリスクを心配している男性はPSA検査を受けるべきか判断するために指導があります。 1993年の前立腺がんスクリーニング検査のランダム研究が行われ 定期的なPSA検査は前立腺がんによる死亡率をさげるか否か調査されました。 ランセットに発表された研究では162000人の50-74歳の男性をフランス、フィンランド、ベルギー、イ タリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイスの8カ国から集めました。 4年ごとにPSA検査もしくは検査なしを無作為に行いました。 スウェーデン人男性には2年後ごとに行いました。もしPSA値は3.0ng/mlを超えた場合には 検査を受けるように進められました。13年間の追跡調査期間中検査を受けた男性に7408件の前立 腺がんが診断され、6107件はスクリーニング検査を受けていない男性に見つかりました。 9年後研究結果は前立腺がんスクリーニング検査により前立腺がんによる死亡率が15%下がりました。 11年後、研究ほベースと比較して前立腺がんスクリーニング検査により死亡率が22%下がりました。 この後は更なる死亡率低下は見られませんでした。 総合するとスクリーン検査を受けた男性では、検査を受けていない男性に比べ21%の前立腺がんによる 死亡率低下が見られました。さらに進行前立腺がんのリスクが低いと診断された男性は前立腺がんによ る死亡率が27%低くなっていました。 追跡調査中に前立腺がんスクリーニング検査の利点は明らかになりました。9年後に1410人の男性が スクリーニング検査を予防のため行わなければいけませんでしたが13年間で781人まで減少しました。 研究リーダーのフリッツシュレーダー教授はオランダのエラスムス大学医療センターで PSAスクリーニングは前立腺がんによる死亡率を明らかに下げているとし、乳がんの検診による死亡率低 下と似ていると述べました。しかし前立腺がんの定期スクリーニングを推奨することはまだ早い段階であると 述べています。過剰診断は40%近くがスクリーニングにより前立腺がんが特定されたことにより起こってい ます。それにより過剰治療により尿失禁やインポテンスなどの副作用などを引き起こします。 フリッツシュレーダー教授の推奨方法はMRI技術であると述べ、この方法であれば進行性の前立腺がん を診断でき、それほど深刻な症状にならない腫瘍を過剰診断はしないと説明しました。 今のところは医師はスクリーニングによる過剰診断と過剰治療のデメリットを男性患者に伝える必要があ ります。 イアントンプソンによる社説では研究はスクリーニングの利点を実証していますがPSAのスクリーニングは 不完全であると述べました。この研究で見つかった癌の6割はリスクの低い腫瘍であり、治療なしで監視さ れました。 ハーバード大学衛星学部の最新の研究によると精管切除は前立腺がんリスク低下と関連していると報 告されました。