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JapanRx / 安価な薬が出産後の母親の命を救う

安価な薬が出産後の母親の命を救う

医学雑誌ランセットによれば、安価で広く使われている薬により、出産後の重度の失血による死亡を最大31%減少できるといいます。

トラネキサム酸と呼ばれる薬は、血栓の分解を防ぐことによって作用します。
2万人の女性を対象に世界規模で行われた治験では、重度の失血による死亡者数が全体で5分の1減少し、3時間以内に薬を投与された女性では31%減少しました。

分娩後出血は、世界中の妊産婦の主な死因となっています。
これにより、毎年10万人以上の女性が死亡しています。

ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディスン(ロンドン大学)の研究者たちは、主にアジアとアフリカ、そしてイギリスなど21カ国の母親を対象に研究を行いました。

研究者らは、分娩後出血を起こした女性のうち、3時間以内にトラネキサム酸を投与された後出血により死亡した人数は89人、プラセボ(偽薬)を投与された場合の人数は127人であったことを見出しました。

母親や乳児に、この薬に関連したマイナスの副作用は見られませんでした。

この治験の主任研究者であるHaleema Shakur氏は、次のように述べています。
「トラネキサム酸を早期に使用することで女性の命を救い、母親と共に成長できる子どもの数を増やすことができるという重要な証拠を発見することができました。トラネキサム酸は安全かつ安価で投与が容易く、産後に重度の出血が発生した際は、医師により出来るだけ早くこの薬が投与されることを願っています。」

「トラネキサム酸を50年以上前に発明した研究者らは、分娩後出血による死亡を減らすことを望んでいましたが、治験実施時に産科医を説得することはできませんでした。」と同研究の共同主任研究者であるIan Robertsは述べています。

「遂に明らかとなtぅたこの調査結果が、世界中の女性の命を救う助けとなることを願っています。」

以前の研究に基づく現在の世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、トラネキサム酸は、
子宮収縮薬(収縮を誘発する薬剤)により出血がコントロールできなかった場合、もしくは外傷が原因の出血である場合の後続治療として使用される事が推奨されています。

出典:2017年5月16日更新 Health Spectator UK 『Cheap drug found to save lives of mothers after childbirth』(2019年5月2日に利用)
https://health.spectator.co.uk/cheap-drug-found-to-save-lives-of-mothers-after-childbirth/