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子宮内の高レベルのエストロゲンが自閉症リスクを高める可能性

2019年7月29日 (HealthDay News)  - 英国の新しい研究は、子宮内の性ホルモン濃度の上昇が自閉症リスクへの役割を果たす可能性があるという理論を強化しています。

サイモン・バロン・コーエン博士が率いる研究チームによれば、以前の研究では、自閉症スペクトラム障害は男性ホルモンのアンドロゲンの子宮内濃度が高いことがその可能性を高めることが示唆されていました。

バロン・コーエン博士はケンブリッジ大学の自閉症研究センターを指揮しています。

以前の調査結果は、なぜ自閉症が女児よりも男児において一般的であるかを説明するのを助けるかもしれません。

しかし、ケンブリッジ大学のチームの最新の調査によると、子宮内で高レベルのエストロゲンホルモンにさらされるともまた、自閉症の可能性を高めるかもしれません。

新しい研究では、バロン・コーエン博士と彼の研究グループは、10万人以上の妊娠からの羊水サンプルの保管機関である、デンマークのバイオバンクによってサンプリングされた、98人の女性からの羊水サンプルをテストしました。

そのうち、98人が自閉症スペクトラム障害の発症へ進行しました。

研究者らは、4種類の異なるエストロゲン様ホルモンの羊水レベルに特に注目しました。

研究者らは、自閉症を引き起こした98人の人々のレベルを、障害のない177人の羊水サンプル由来のレベルと比較しました。

今回、バロン・コーエン博士のグループは、高レベルの男性の性ホルモンで見られたよりもさらに強い自閉症との関係を見出しました。

「この新しい調査結果は、出生前の性ステロイドホルモンの増加が、この状態の潜在的な原因の1つであるという考えを支持しています。」

とバロン・コーエン博士は大学のニュースリリースで述べています。

「遺伝学は別の原因として十分に確立されており、そして、これらのホルモンは遺伝的要因と相互作用し、発達中の胎児の脳に影響を及ぼす可能性があります。」

ルース・ミラナイク博士は、ニューヨーク州ニューハイドパークにあるコーエン小児医療センター(Cohen Children's Medical Center)で新生児の神経発達に関する追跡調査プログラムを指揮する自閉症の専門医です。

彼女は新しい調査結果をうけ、おそらく自閉症の単一の原因ではないことに同意しました。

「これは私たちにこの問題の根底を理解するために一歩近づいた、強力な研究ですが、これが絶対的な原因ではありません。」とミラナイク博士は述べました。

 「これらの調査結果の意味を十分に理解するためには、あらゆる分野でさらなる調査が必要です。」

バロン・コーエン博士は妊娠中の子宮ホルモンレベルをテストして、将来の自閉症リスクを測定することはここでの目標ではないことを強調しました。

「われわれは自閉症を理解することに興味を持っており、それを妨げることはしていません。」と彼は述べました。

そして、その結果はそういったスクリーニングテストを開発するために使用されるべきではないと付け加えました。

事実、子宮内で性ホルモンレベルが上昇する原因はまだ明らかにされていないと研究者らは述べました。

ケンブリッジ大学の大学院生である共同研究者のアレックス・ツォンパニディス氏によると、「これらの高レベルのホルモンは母親、赤ちゃん、または胎盤に由来している可能性があります。次のステップでは、これらすべての可能性のある原因とそれらが妊娠中にどのように相互作用するのかを研究するべきなのです。」

調査結果は7月29日、Molecular Psychiatry誌のオンライン版で発表されました。

 

【以下のウェブサイトより引用】

High Levels of Estrogen in Womb Might Raise Autism Risk