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JapanRx / 加齢を避けることができるとしたら?

加齢を避けることができるとしたら?

HU:はい。ですが、興奮しすぎてはいけません。
しかし、科学者はマウスや他の生物において、老化症状を加速させるものもあれば、遅らせたり逆戻りさせるものがあることを見つけました。これはマウスの血流を改善し、活力や持久力を高めたのです。

同じ日に生まれた二匹のマウスの内1匹に、実験分子を与えました。
すると、この分子を投与されなかったマウスの歯は長く、被毛の色が抜け、老けた見た目になりました。回し車を走る速度も遅くなり、落ちてしまうこともあります。
分子を投与されたもう一方の、老けたマウスと同年齢のマウスの被毛は未だに黒く、若いマウスのように回し車の中を走り回っていたのです。

GREEENE:しかし、なぜこんなことが?

HU:わかっています。クレイジーに聞こえますよね?私はハーバード医科大学の加齢研究者であるデビッド・シンクレア氏に会い、このことを説明しました。

DAVID SINCLAIR:私たちは、NMNと呼ばれる分子をマウスの飲料水中に入れています。そうすると、マウスの筋肉は若返り、より長距離を走れるようになるのです。新しい血管が生まれ、血流も増えました。

HU:ではこれは、運動をおこなったり健康を維持するだけの話ではないんですね。マウスが飲料水に混ぜられた分子を摂取することで、老化を遅らせる作用があると。

HU:その通りです。

GREENE:では次の質問として、これは私にも使えるのでしょうか?

HU:それが大きな課題なのです。
もちろん、人間が摂取することもできます。しかしそれにより子供に戻ったように感じるかどうかは、まだ分かりません。これについては調査中です。ヒトを対象とした臨床試験が、現在ボストンで行われています。試験に携わる遺伝学者らは、将来、人間は少なくとももう10年、20年は長く生きられる可能性を示したいと言っていますそして、私たちが指しているのは寿命だけではありません。活動に参加して楽しんだり、家族との時間を楽しむことができる期間、つまり健康寿命の延長についても考えています。

GREENE:実際に自分自身で摂取してみたりしたのですか?

HU:はい、腫瘍学および老齢学の専門家であるピーター・アティア博士のもと、特定の分子だけでなく、全てのアンチエイジング法を試しました。
アティア氏やシンクレア氏の様な人物は、こうした方法を使ってお金を稼ぐことを考えています。
しかし、私は彼らが販売する商品についてもっと知りたいと考えました。

GREENE:なるほど。
HU:...また、ほとんど毎日有酸素運動を、可能な場合は1日45分間行います。三つめはより健康的な食事を取ることです。そしてその次が、現在ヒトを対象とした試験が行われているNMN分子なのです。これは現在サプリメントの形で摂取することができます。アティア氏が選定した一種類のサプリメントを、多くの注意事項に従って試しました。

PETER ATTIA:サプリメント業界の規制はかなり緩やかであるため、説明通りの成分が配合されていることは確認できません。正直なところ、私の直観ではほとんどが説明通りの商品ではないでしょう。しかし説明通りの品を少なくとも合法的に作っている人たちもいると考えます。

HU:もちろんこれらは承認薬ではありませんが、指示通りに分子を摂取し、断食、運動、睡眠、瞑想のすべてを行いました。サプリメントは甘味があり、チョークのような感じもします。

GREENE:若返ったように感じますか?実際若返りましたか?

HU:はい。寿命は誰にもわかりませんが。
しかし私は、これら全ての方法を試す前にまず採血を受けました。そして、6週間のアンチエイジングレジメンが終了した際、血の気が引くように感じました。検査結果のバイオマーカーでは、肝臓酵素や血糖値が適切な方向に変化し、疾患の主な指標に基づいて寿命を計算するバイオハックスタートアップ企業のアルゴリズムを使用すると、内側の、もしくは生物学的年齢が5歳若返ったことがわかりました。結果は悪くありません。

GREENE:この分子の効果により人口の大部分が長生きできるようになるというのは、何を意味しているのでしょうか?

HU:良い質問です。そして、私はデヴィッド・シンクレア氏に同じ質問をしました。彼はそれが難しい問題だと認めています。

SINCLAIR:私たち皆が永遠に生きるとすると、物事は上手くいきません。新しい惑星を見つける必要があります。もう一つの悪いシナリオは、たくさんの人が仕事を占有し続けたり、政治家が1世紀にわたって力を持ち続けるということです。これは懸念事項でしょう。

HU:しかし、彼は楽観的です。人間が工夫し、また全ての人の寿命だけではなく健康寿命が延長されることで、私たちが話しているような悪影響も排除できると考えています。

GREENE:分かりました。では、30年後あたり、2050年に、若返り具合を確認しましょう。

HU:そうですね。7歳位まで若返っているかもしれません。

出典: 2019年10月3日更新 KUNC Radio 『VIDEO: What If Aging Wasn't Inevitable? The Quest To Slow And Even Reverse Aging』(2019年10月15日に利用)
https://www.kunc.org/post/video-what-if-aging-wasnt-inevitable-quest-slow-and-even-reverse-aging#stream/0