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低用量の殺虫剤がパーキンソン病と関連

パーキンソン病財団によると米国では100万人以上のパーキンソン病患者がいます。
『Neurology』誌に掲載された新しい研究では、殺虫剤が疾患のリスクを増加させ、さらに特定の遺伝子変異が起こった人はより疾患のリスクが高まることを発表しました。

この研究は、昨年PNASに発表されましたが、以前の研究においては、 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の医学部のデビッドゲフィン学校のジェフ·M·ブロンスタイン教授を含む研究チームが最初にパーキンソン病とベノミルと呼ばれる殺虫剤の関係を発見しています。
ベノミルは殺菌剤です。成分に発癌性物質を使用していることが明るみになり、2001年に米国環境保護庁によって禁止されました。

研究者らはベノミルはアルデヒド脱水素酵素(ALDH)と呼ばれる酵素を阻害することを 発見しました。
この酵素はドーパミン細胞への毒性があるアルデヒドから低毒性の物質へ変換します。
もしALDHが阻害されている場合パーキンソン病の発病につながる場合があります。 最新の研究では他の殺虫剤に同じような作用があるか調査を行うよう準備しています。

研究チームはカルフォルニア州の3つの町に住むパーキンソン病患者360人と同地域に住んでいるその他の819人とを比較しました。
研究では、家庭と職場と両方での殺虫剤の体への影響をカルフォルニアの農薬規制のデータに基づいて調べました。
また、どの農薬、殺虫剤が参加者のALDHを阻害するか実験テストを行いました。
研究者らはALDHを阻害し、パーキンソン病のリスクを高める11の殺虫剤を発見しました。さらにこれらの殺虫剤は非常に低い量でパーキンソン病のリスクを増加させることを発見しました。

ブロンスタイン博士は「非常に多くの殺虫剤が通常で使用するより低用量でALDHを阻害する作用があることは予期していませんでした。殺虫剤は様々なところで使用されており、その成分は建物や家の中、公園、食料などにも見つかります。そのため多くの人々はそのリスクに曝されていることになります。」と述べました。
さらにALDH2遺伝的変異を持っていた人は、ALDH阻害効果が強まり、パーキンソン病を発症リスクが2-6倍以上の可能性が高いことが分かりました。
しかし遺伝的変異が起こっている人で、殺虫剤に曝されなかった人はパーキンソン病リスクの増加が見られませんでした。

ALDH阻害は、特に遺伝的に耐性が弱い人に対して外部からの毒素によってパーキンソン発症リスクに関わっています。
そのためパーキンソン病発生率の減少、進行を遅らせるための要因があると考えられました。
そして、ALDHの酸素活性をコントロールする治療法、もしくは有害なアルデヒトを除去する方法を確立するべきとしています。
これによりパーキンソン発病リスクを下げたり、殺虫剤に曝された人のパーキンソン病の症状の進行を遅らせることができるかもしれないと研究チームは指摘しています。

以下のサイトより引用
http://www.medicalnewstoday.com/articles/272097.php