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JapanRx / 人間が「太った霊長類」になった理由? -DNAパッケージングの変化は、私達の体が「悪質」の脂肪を「良質」脂肪に変える能力を抑制した-

人間が「太った霊長類」になった理由? -DNAパッケージングの変化は、私達の体が「悪質」の脂肪を「良質」脂肪に変える能力を抑制した-

ジャンクフードや運動不足のせいでもあります。
しかし、現代の肥満の流行のずっと以前に、肥満に移行する進化が起こりました。

「私たちは太った霊長類です。」 と、デューク大学の生物学者であるデヴィ・スウェインレンツ博士は述べました。

人間がチンパンジーよりおしゃべりであるという事実は科学者にとっては新しいニュースではありません。
しかし、新しい証拠は、私たちがどうやってそれを得たのかを説明するのに役立つかもしれません。

ほぼ同一のDNA配列を持つにもかかわらず、チンパンジーと初期の人間は、DNAが脂肪細胞内にどのようにパッケージされているかという点で
重大な変化を遂げたことを、スウェインレンツ博士と博士のチームは発見しました。

研究者によると、その変化の結果として「悪質」のカロリー貯蔵型の脂肪を「良質」のカロリー燃焼型の脂肪に変える人体の能力を減少させたといいます。

この結果は、6月24日、Genome Biology and Evolutionに掲載されました。

私達の最も近い動物の親戚と比較して、腹筋が6つに割れていて筋肉隆々の腕を持つ人でさえもかなりの脂肪蓄積があると研究者は言います。

他の霊長類の体脂肪は9%以下ですが、人間の体脂肪の健康的な範囲は14%から31%です。
人間が「太った霊長類」になった経緯を理解するために、スウェインレンツ博士とデューク大学の生物学者であるグレッグ・レイ博士が率いる研究チームは、
人間、チンパンジー、そしてより遠縁のサルの種類である、アカゲザルからの脂肪サンプルを比較しました。

『 ATAC-seq』と呼ばれる分析手法を使い、彼らは脂肪細胞のDNAがどのようにパッケージされているかの違いについて各種のゲノムを確認しました。

通常、細胞内のDNAの大部分はコイルとループに凝縮され、タンパク質の周りにしっかりと巻かれています。
そのため特定のDNA領域だけが、遺伝子をオン/オフにする細胞機構にアクセスできる程度に十分に緩やかに詰まっている状態です。

研究者らは、チンパンジーとマカクザルではアクセス可能なおよそ780個のDNA領域を同定しましたが、ヒトではそれがより密集しています。
これらの領域を詳細に調べ、研究チームは脂肪を、ある細胞型から別の細胞型に変換するのに役立つDNAの繰り返し断片があることにも気付きました。

スウェインレンツ博士は、すべての脂肪が同じように作られるわけではないと説明しました。
大部分の脂肪はカロリーを蓄える白色脂肪細胞でできています。それはステーキの霜降りにも見られますが、私たちのウエストラインの周りに積み重なるものです。

一方、褐色脂肪と呼ばれる特殊な脂肪細胞は、死亡を蓄えるのではなく、燃焼させて体を温めます。
太っている理由の1つは、白色脂肪を褐色脂肪に変えるのを助けるゲノムの領域が本質的に閉じ込められたからだと研究は示唆しています。
これは、チンパンジーにはなく人間でのみ起こります。

「私たちは、脂肪細胞を褐色脂肪に変換する能力の一部を失いました。そして、私たちは白色脂肪の経路に行き詰まっているのです。」
とスウェインレンツ博士は述べました。

彼女は、寒い気温にの中で過ごすことによって体の限られた褐色脂肪を活性化することはまだ可能だと説明しました。
人間もチンパンジーのように、重要な臓器を和らげ、寒さから身を守り、飢餓から身を守るために脂肪を必要とします。
しかし、初期の人間は、体の成長や飢餓などに備えるエネルギー源とするなどの別の理由で、白色脂肪細胞が急成長する必要があったのかもしれないと
研究者たちは言います。

人間とチンパンジーのDNAが別々の方法をとってから600万〜800万年の間に、人間の脳はおよそ3倍の大きさになりました。
チンパンジーの脳は変化していません。
人間の脳は他のどの組織よりも多くのエネルギーを大量にで使います。
脂肪細胞をカロリーを燃焼する褐色脂肪ではなく、カロリーを貯蔵する白い脂肪に向かったということは、
私たちの先祖に、それが生存上の優位となっていたからだと考えられます。

スウェインレンツ博士は、多くの人から受けるもう1つ質問があると言いました。
「私はそれで痩せることができますか?」

「そう願います。」

と彼女は言います。

褐色脂肪には脂肪燃焼能力があるため、多くの研究者は白色脂肪を褐色脂肪に変換する私たちの体の能力を高めることができれば、
簡単に痩せることができるのかどうかを把握しようとしています。

スウェインレンツ博士は、まだ、そこまで到達していないものの、霊長類の間で彼らが見つけた『相違点』が、ある日、肥満患者を助けるために
使われるかもしれないと言います。

「おそらく、スイッチを入れたり切ったりする必要がある遺伝子のグループを見つけることができるかもしれませんが、
そこまでたどり着くまでにはまだ遠いです。」
「私はそれがスイッチを開閉するほど単純であるとは思いません。もしそうであれば、私たちはずっと前にこれを考え出しているでしょう。」
と彼女は説明しました。  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/06/190626160337.htm