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JapanRx / 一人の女性を愛す方が健康に良い? 一夫多妻で心臓病リスク (2015年5月8日 読売新聞)

一人の女性を愛す方が健康に良い? 一夫多妻で心臓病リスク (2015年5月8日 読売新聞)

 一部の男性にとって羨望せんぼうの的の一夫多妻制だが、健康に過ごしたいならば憧れだけにとどめておいた方がよいかもしれない。サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の5施設で調査を行ったところ、複数の妻がいる男性では妻が1人の男性に比べて心臓病になるリスクが4.6倍以上高いという結果が出た。アジア太平洋心臓病学会の会合(4月29日~5月2日、アブダビ)でこの結果を報告したサウジアラビア・キング・ファイサル専門病院・研究センターのアミン・ダウラー氏によると、妻の数が増えると心臓病リスクはさらに上昇したという。 既婚男性687人を調査  一夫多妻制は、アフリカや中東、中央アジア、東南アジアの一部地域で導入されており、イスラム教のシャリーア(イスラム法)では、1人の男性が4人の妻を持つことが許されている。しかし、複数の妻を持つには平等に扶養することが条件となるため経済的な負担が重く、実際に複数の妻がいる男性はごく一部だとされている。  独身の人に比べ、結婚している人は健康状態が良く、寿命も長いという研究結果が多数報告されている。では、妻の数が増えるとより健康的になるのか―。そう考えたダウラー氏らは、サウジアラビアとUAEの5施設で心臓の検査を受けた既婚男性687人(平均年齢59歳)について、妻の数と心臓病の関係を調べた。  参加者の68%は妻が1人で、2人は19%、3人は10%、4人は3%。複数の妻がいる男性では、高齢で農村部に住み、所得が高い傾向にあった。なお、対象者の56%に糖尿病、57%に高血圧がみられ、45%が過去に心臓病にかかったことがあったという。 複数の妻でストレスやプレッシャーが増大か  糖尿病や高血圧、過去の心臓病などの影響を取り除いて分析した結果、妻が2人以上の男性では、妻が1人の男性に比べて心臓病(冠動脈疾患)にかかるリスクが4.6倍高かった。これは、妻の数が増えるほどさらに高まったという。 前述のように、複数の妻を持つには平等に扶養することが条件となるため、経済面や精神面での負担が多い。ダウラー氏は今回の結果について、こうしたストレスが関与していることを指摘。さらに、今回の参加者は農村部に住む人が多かったが、複数の妻を扶養するために仕事を増やしたりより高給の都市部へ出稼ぎしたりするなど、プレッシャーの多い生活を送っている点も影響しているのではないかと考察した。  ただし、今回の研究では運動や食生活、妻との親密度、近親婚による遺伝的影響などの要素については分析に含まれていない。これらが結果に影響した可能性もあるため、ダウラー氏は「今後さらなる検討が必要」としている。