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JapanRx / ホルモンや抗アンドロゲン剤による女性のにきび治療

ホルモンや抗アンドロゲン剤による女性のにきび治療

FDAはニキビ治療薬として3つの経口避妊薬を承認していますが研究ではこれら3種類の経口避妊薬のにきび治療効果に差は見られなかったとレイノルド医師は言います。

皮膚科医によって抗生物質に代わるにきび治療薬が模索されたことで、にきび治療としてホルモン療法が使用されるケースが増えています。
ハーバード大学医学部の皮膚科の助教授であり皮膚科副学長のベス・イスラエル・ディコネス医師によると、
研究では経口避妊薬や抗アンドロゲン療法に、抗生物質に匹敵するにきび治療効果がある可能性があることが示されたと言います。

レイノルド医師は2019年3月にワシントンD.C.で開催された米国皮膚科学アカデミーの年次総会で、
にきび治療に関するパネルディスカッションの一環として、ホルモンを使用したにきび治療について述べました。

レイノルド医師は、データによると皮膚科医がにきび治療にスピロノラクトンを使用するケースが増えていることが示されていると言います。
2017年9月にアメリカ皮膚科学アカデミージャーナル(JAAD)に掲載されたジョン・D・バルビエリ医師による研究によると、
皮膚科医を受診したニキビのある女性患者100人の内、スピロノラクトンが処方されたケースは、2004年の2.08から2013年8.13に増え、291%の使用率増加が見られたと言います。

米国皮膚科学アカデミーのウェブサイトのホルモン療法に関する患者情報によると、一般的にスピロノラクトンを使用したにきび治療は、健康な女性にとって安全であると考えられています。

2017年10月に皮膚病学ジャーナルにて発表されたシンシナティ大学の研究者による4年間の後ろ向き研究では、
291人の患者を対象とした5年間のスピロノラクトンによるにきび治療を調査し、治療を受けた患者の86%が最小限の副作用で改善したことがわかりました。

昨年皮膚科薬ジャーナル(Journal of Drugs in Dermatology)にて発表された
「ニキビのある女性に対する経口テトラサイクリン系抗生物質と比較したスピロノラクトンの治療の切り替え頻度:2010年~2016年の後向きコホート研究」では、
バルビエリ医師らにより、スピロノラクトンは女性のにきび治療において経口テトラサイクリン系抗生物質と同様の臨床効果を有することが報告されています。

レイノルド医師は、経口避妊薬のにきび治療効果を裏付けるための十分な無作為対照試験結果も存在すると言います。

「しかし、これを見たとある研究では、皮膚科医による処方には関連するプラトー(停滞)があったことが示されています。」
と、レイノルド医師は言います。

バルビエリ医師らはアメリカ皮膚科学アカデミージャーナル(JAAD)にて、、
米国の皮膚科医がニキビのある女性患者100人当たり処方した混合型経口避妊薬の数は、2004年の34.31から2013年の30.74に減少したと報告しています。
これについてレイノルド医師は、この数字はにきび治療として患者に経口避妊薬を勧めたものの、処方については患者のかかりつけ医に紹介状を書いたケースを反映していない可能性があると述べています。


- ホルモン療法によるニキビの治療
レイノルド医師は、局所療法に失敗したり、イソトレチノインでの治療後再発があったにきびのある女性患者には、ホルモン療法が良い選択肢となると言います。
特に炎症性のにきびがあり、月経前に再発する兆候がみられるケースには、これが当てはまります。

「基本的に、にきびのある成人女性は、他の臨床的なホルモン関連がない場合でも、これらの治療法に反応する可能性があります。」
とレイノルド医師は話します。

FDAは、にきび治療のための3つの経口避妊薬、ヤンセンファーマ社製のノルゲスチメート/エチニルエストラジオール配合「オルソ・トリ-シスレン(Ortho Tri-Cyclen)」、
アラガン社製のエチニルエストラジオール/ノルエチンドロン配合「エストロステップ(Estrostep)」、およびバイエル社製のドロスピレノン/エチニルエストラジオール配合「ヤズ(Yaz)」を承認しました。

レイノルド医師によると、研究では、これら3種の承認経口避妊薬において、にきび治療効果の差はないことが示されていると言います。

彼女は以下のように続けています。
「しかし、私は個人的にはドロスピレノンを配合するヤズ(Yaz)に気持ちが傾いています。エストロゲン成分による抗アンドロゲン作用がある利点に加え、アンドロゲン受容体遮断作用がある為です。」

ホルモンを使用したにきび治療において最善の方法は、経口避妊薬と併せて、可能であればスピロノラクトンのような抗アンドロゲン薬を使用することです。
レイノルド医師は、スピロノラクトンにより月経不順がおこる場合があり、この併用療法により月経の調節作用が生まれると言います。

「スピロノラクトンは催奇形性物質であり、これもまた経口避妊薬を平行して服用すると良い理由の一つです。」と彼女は話します。
「私は、これらのホルモン療法を局所レチノイドと併用したり、過酸化ベンゾイルと組み合わせた局所用抗生物質と併用したりしています。」

経口避妊薬の使用にはいくすかの禁忌があり、例えば深部静脈血栓症や肺塞栓症などの血栓形成の既往歴や家族歴がある患者には禁忌です。
妊娠中の女性や、高血圧、肥満、喫煙習慣がある35歳以上の女性の使用も禁忌となります。
授乳中もしくは前兆を伴う片頭痛持ちの女性は、にきび治療として経口避妊薬を服用してはいけません。
また、35歳以上の前兆のない片頭痛持ちの女性は服用できません。

レイノルド医師は、ニキビ治療におけるホルモンの選択肢には、局所用抗アンドロゲンを用いた試験的治療も含まれると述べています。

出典:2019年3月21日更新『Hormonal therapies for women with acne』Dermatology Times(2019年4月10日に利用)
http://www.heraldstaronline.com/news/national-news-apwire/2019/04/turmeric-supplements-safe-to-try/