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プロバイオティクスは健康に良いか?研究では、腸によるという結果に

新しい一連の2つの研究では、プロバイオティクスや”良い細菌”は必ずしも健康に良いとは言えないことが示されています。
研究者は、いくつかのケースでは腸がプロバイオティクスに対して耐性を持ち、中には回復を遅らせるケースもあることを明らかにしました。

これらの2つの研究による発見は9月6日、CELLジャーナルにて発表されました。

腸内の健康な細菌(マイクロバイオーム)は、消化機能を向上するのみでなく、私たちの身体的、精神的な健康に結びついています。
これは、多くの人々が、食事やサプリメントの形でプロバイオティクスを摂取する理由です。

プロバイオティクスは一般的に多くの支持を受ける一方、未だ専門家による完全な理解を得られていません。
シニアオーサーの一人であるエラン・エリナフは、関連文献については大いに議論の余地があると指摘しています。

エリナフと彼の研究チームは、標準的な店舗で購入したプロバイオティクスが実際に腸管内に定着し、宣伝通り健康上の利益をもたらすかどうかについての調査を試みました。
この調査では、便の検体を用いた過去の研究とは異なり、被験者の上部内視鏡検査と大腸内視鏡検査を実施しました。
これにより、より正確に腸内の細菌定着の測定が可能となりました。

イスラエルにあるワイツマン科学研究所の免疫学者であるエリナフは、次のように述べています。
「驚くべきことに、健康な被験者の多くはプロバイオティクスに耐性があり、腸菅内に細菌を定着させることができませんでした。
これは、プロバイオティクスが”フリーサイズ”のサプリメントとして広く使用されるべきではないことを示しています。」
そして、次のように続けました。「代わりに、各個人のニーズに合わせて調整することが可能です。」

本調査によると、プロバイオティクスが腸内の細菌定着に成功する”persister”も確かに存在します。
しかし、あなたもプロバイオティクスを腸から追い出してしまう”resisters”の一人である可能性があるのです。

となると、これらのプロバイオティクスには、抗生物質を摂取した患者の回復を促進する作用があるかどうかという点が次の疑問として挙げられます。
抗生物質による治療は、最近の良し悪しによらず殺菌してしまうことから、もろ刃の剣であると言えます。

第2の調査では、抗生物質を摂取した21人のボランティア被験者を3つのグループに分けて調べました。
1つ目のグループには、自身の腸内マイクロバイオームによる回復ができるよう、介入は行われませんでした。
2つ目のグループには、第1の調査で使用されたものと同様のプロバイオティクスが与えられました。
3つ目のグループには、抗生物質の摂取前に採取された、自身の細菌が投与されました。

驚くべきことに、2つ目のグループでは、プロバイオティクスの使用による回復の遅れが見られました。
また、このグループの被験者のマイクロバイオームおよび腸の遺伝子発現プロファイルが正常に戻るまで、数カ月を要しました。

結果について、エリナフは次のように述べています。「プロバイオティクスは無害で全ての人々に利益があるという現在の説とは対照的に、こられの調査結果は 
プロバイオティクスを抗生物質と併せて使用した際、副作用や長期的な影響をもたらす可能性を明らかにしました。」

対照的に、3つ目のグループは数日以内に素早い回復が見られた、とエリナフは付け加えました。
これは、自分自身の微生物を用いた”自然な方法で個別に設計された治療”が、抗生物質の作用をうまく逆転できる可能性を示しています。

Medical Daily, 2018年9月7日
https://www.medicaldaily.com/are-probiotics-always-healthy-depends-your-gut-study-says-427357