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ピーナッツペーストで乳児のアレルギーを予防する

(ロイターヘルス)- 医師は赤ちゃんの1歳の誕生日までに定期的にピーナッツペースト製品を与えることで、後でピーナッツアレルギーを発症する  リスクを減らすことができるとアドバイスしています。

CMAJで公開されている医療提供者向けの実践ガイドでは、小児科医とアレルギーの専門家のチームは、ほとんどの乳児に生後4ヶ月という早い時期からピーナッツをピューレ状または粉末状で与え、生まれてから最初の数年間のうちに乳児へピーナッツ製品を多く食べるようにすることを推奨して います。

しかし、このガイド著者の1人である英国キングス・カレッジ・ロンドンのジョージ・デュ・トワ博士は、乳児のアレルギーの状態について事前に医師に 確認する必要があると言います。

彼は、ピーナッツ製品の家庭での導入は、湿疹がないか、皮膚疾患が軽度の乳児に最も適していると付け加えました。

小児へのピーナッツ曝露に関しての現在のガイドラインを実施する上で最も難しい部分は、「ピーナッツの露出を遅らせる」という以前の慣行に完全に逆行していることだと、シカゴのノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のルチ・グプタ博士は述べています。

博士はこの実践ガイドには関与していない、小児科医であり食物アレルギーの研究者でもあります。

「また、両親の抵抗もあります。なぜなら、乳児へこれを家庭で行うことを恐れているからです。」と彼女は本誌に語りました。

ピーナッツアレルギーは通常2歳以前に発症します。

これらのアレルギーは、子供が家の内外で食べるものすべてを注意深く監視する必要があり、親にとっては常に心配事となっています。

ピーナッツに対するアレルギー反応には、皮膚の発疹や水疱、呼吸困難、低血圧、悪心、嘔吐、舌、目、顔の腫れなどがあります。

重症例となると、エピネフリンの注射を打たない限り、ピーナッツのアレルギー反応は命にかかわります。

結果的に、以前、医師は両親にピーナッツ製品を乳児に与えないようにアドバイスしていました。

しかし、2015年の研究により、ガイドラインの再考が求められました。

 

この研究では、卵アレルギーまたは湿疹の両方を伴う11ヶ月未満の640人の乳児を対象に行われました。

両方ともピーナッツアレルギーを発症する危険因子です。

しかし、研究者は、これらの高リスクの乳児に対して、週に3回少量のピーナッツバターを与えた場合、5年後にピーナッツアレルギーを発症したのは わずか3%であったのに対し、幼児期にピーナッツを避けた子供の17%がアレルギーを発症しました。

実践ガイドでは、小児科医とアレルギーの専門家チームが、母乳を離乳するプロセスにおいて最初の食品の1つとして、ペースト、バター、または粉末パフの形で4ヵ月〜6ヵ月の赤ちゃんにピーナッツタンパク質を導入することを推奨しています。

「多くの人が、これは赤ちゃんに一度だけそれを与えることを意味していると思われますが、免疫系が実際にそれを容認するように学習させるために、繰り返し、より長い時間にわたって与えることが本当に重要です。」

とグプタ博士の同僚であるクリストファー・ウォーレン博士は述べています。

米国国立アレルギー感染症研究所のガイドラインでは、ピーナッツを導入する前に、皮膚穿刺法または特定の免疫グロブリンE(IgE)検査により、リスクの高い乳児のアレルギー状態を確認することを推奨しています。

著者は、カナダ、オーストラリア、英国のアレルギー学会ではこの検査を義務付けていないと記しています。

早期導入の方法は、牛乳、卵、ゴマ、魚、小麦などの他の主要なアレルギー性の食品でもテストされていますが、ピーナッツや卵の場合、子供の食事にこれらの食品を早期導入することの保護効果が最も顕著だったと専門家は指摘しています。

両親は、嘔吐、窒息、発疹、唇の腫れ、または食物に対する極端な嫌悪といったアレルギー反応の兆候に注意する必要があります。

しかし、呼吸困難や低血圧などのより重篤な症状を発症する乳児は非常に少ないとグプタ博士は述べました。

また、担当医は乳児が医療監督下において、ピーナッツの摂取を続けることができるかどうかについて、アレルギー専門医に相談することが      推奨されます。

 

【以下のウェブサイトより引用】

Pureed peanuts advised for infants to stave off allergy

REUTERS