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JapanRx / ニジェールでの麻疹の大発生は降雨量と気温に関連

ニジェールでの麻疹の大発生は降雨量と気温に関連

国際的な研究者チームによると、降雨と気温が農業活動を促進しそれが西アフリカの国ニジェールでのはしかの発生パターンに影響を与えています。

この調査結果は、ニジェールおよび他の国の季節的に移動する集団のワクチン接種率を改善するのに役立つ可能性があります。

「麻疹は、サハラ以南のアフリカにおける子供の死亡率の主要な原因であり、2017年にこの地域では約62,000人が亡くなっています。」

と、ペンシルベニア州立大学の生物学の大学院生である、アレクサンドル・ブレイク氏は述べています。

 「しかし、現在の予防接種戦略は、感染率の中央値が学齢期より低い移動性の高い集団の代わりに、就学前に子供たちにワクチンが接種されるのは高所得国向けにとなっているため接種率が低くなっています。」

研究者らは、1995年から2004年までのニジェールの地区レベルで毎週報告された、はしかの症例、および米国海洋大気庁からの毎週の累積降雨量と平均気温データを分析しました。

次に、大量のデータに隠された時間的パターンを明らかにするための数学的ツールであるウェーブレット分析と、統計ツールである回帰を使用して、はしかの症例と環境データとの関連を調査しました。

 

彼らの発見は、7月26日の『Journal of the Royal Society Interface』誌に掲載されます。

 

研究チームは、降雨に関連する、はしかの大発生の強力で一貫した年次パターンを発見しました。

具体的には、雨季が麻疹の症例報告のリスクが低いことと関連していたのに対し、乾季の間に麻疹の症例は高かったことがわかっています。

「はしかの季節の始まりのタイミングは、人々が農村部から都市部に移動するときの毎年の農業労働移民の段階と一致しています。」

とブレイク氏は述べました。

 「季節のこの時点で移住人口を標的とするワクチン接種戦略は、発生の年間パターンを打破するために非常に強力であるかもしれません。」

研究者らはまた2番目は弱くより一貫性のない2〜3年ごとに発生する発生パターンを観察しました。

「この2番目の発生パターンは、他のメカニズムが働いていることを私たちに教えてくれます。」

と生物学部の助教授であるニタ・バーティ氏は述べました。

 「それで、毎年の農業移住のタイミングの前にみんなに予防接種をすることができたとしても、他の要因に関連するはしかの症例はまだあるのです。」

ブレイク氏は、これらの要因のいくつかは、ワクチン接種率も低いナイジェリアなどの隣接する国の間での医療ケアと移動へのアクセスの不平等がある可能性を指摘しました。

「ニジェールとナイジェリア北部は言語、文化、経済活動を共有しており、その結果、国境を越えて多くの人間の動きがあります。」

と彼は述べました。

 「しかし、彼らは同時にはしかのワクチン接種の努力をしていません。それはおそらく両国側でウイルスが再度持ち込まれることを可能にします。」

研究チームは、予防接種の取り組みとして季節的に移動する集団を対象とすることで、ニジェールおよび同様の環境全体で発生する強い季節性流行パターンを減らすことができると結論付けました。

「人間の健康と環境は人間の行動と結びついていることが多いものです。」

とバーティ氏は述べました。

 「サハラ以南のアフリカにおけるそれらの関係の性質を理解することは、こういった状況においての介入を調整する方法についての貴重な洞察を提供するでしょう。」

 

 

【以下のリンクより引用】

Measles outbreaks in Niger linked to rainfall and temperature, study finds

Medical Xpress