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コロナウイルス:ドアノブに触れることで感染する可能性はある?

中国の武漢から発症したコロナウイルスは、中国で20,000人以上の感染者を出し、少なくとも425人が死亡しています。
火曜日(2月4日)に発表された6件の新規症例中4件は中国への旅行を伴っていなかった為、シンガポールでも国内感染が発生していることになります。
シンガポールでは計24件の確定症例が出ており、政府は感染がさらに拡大する可能性があると警告しています。

保健担当記者のジョイス・テオは、2人の感染症専門家に対し、ウイルス流行の最新動向に関する意見を求めました。
内一人はデューク‐シンガポール国立大大学医学部で新規感染症プログラムのディレクターを務めるワン・リン・ファ教授、もう一人はシンガポール国立大大学公衆衛生学部で感染症プログラム長を務めるスー・リー・ヤン助教授です。


1.    コロナウイルスは、ドアノブに触れただけで感染することがありますか?

最新の報告によると、コロナウイルスが感染者の家のドアノブで発見されたといいます。

専門家は、このウイルスは主に飛沫を介して感染するため、飛沫が物の表面に付着し、人がそこに触れることで感染することで接触感染が起こることはあり得ると述べています。
ワン教授は、個人的にはこの接触感染のリスクは直接的な飛沫感染のリスクよりも高いと考えていると言います。

「空中の飛沫から感染するには、非常に不運でなければなりません。すなわち、感染者が顔に直接、もしくは非常に近距離で咳き込んできたり、エレベーターに入る前に感染者が約30秒間エレベーター内で咳き込み続けていない限り、感染しないということです。」

シンガポールにおける感染リスクは非常に低いと考えられるものの、感染を予防したいと考える一般人は、第一に人混みを避けると良いでしょう。

「そして、どうしても外出する必要がある場合、コロナウイルに感染するリスクを下げるため、エレベーターや公衆トイレ等でで物に触れる際は十分に注意しましょう。」と、ワン教授は言います。

他人が30秒間利用したエレベーターに乗り込む時は、息をすることで感染する確立は「低い」ですが、エレベーターのボタンに触れることによって接触感染を起こす確立ははるかに高くなります。

「皆マスクを着用していますが、手は全く保護されていません。」と彼は言います。
「エレベーターは密閉空間であり、階を移動したり扉を閉めるためにはボタンを押す必要があるため、最も危険な場所です。」

彼がソーシャルメディアから学んだヒントの一つとして、エレベーターのボタンを押す時にペンを使用する方法があります。
キャップ付きのペンを使用し、使用前にはインクカートリッジを外しましょう。
使用後はキャップを閉め、バッグに入れて携帯します。

車もまた閉鎖空間です。
ワン教授は、車やタクシーから降りた後はハンドサニタイザーを使うと良いと話します。
運転手は、乗客を降ろした後車内を換気すると良いでしょう。

「前の乗客が感染者であり、例えば5分前にその人が車内で咳をし、その後車の窓を2~3分間開けたままにしておけば、完全に換気された環境では飛沫は空気中にそれほど長く留まることはできないため、十分な換気が可能です。」


2.    糞便感染は起こり得ますか?

これについては最近のレポートで議論がなされています。
ワン教授はこれはあり得ると述べ、2003年に香港で起きたサーズの発生中には、アモイ・ガーデンズと呼ばれる集合住宅に住む300人以上が下水を介して感染したことが報告されています。
浴室の換気扇からウイルスが室内に吸い込まれ、拡大しました。
シンガポールの下水システムは異なっています。

この集合住宅で、サーズは人から人への接触の他、エレベーターやロビー、階段などの共有エリアで拡大したようです。


3.    若い人は感染しすいですか?

30代および40代が感染した症例が確認されています。
コロナウイルスによる最初の死亡例は香港で起きた39歳の症例で、武漢へ旅行に行った後に起こりました。彼は、基礎疾患を患っていました。

ワン教授は、重度もしくは致命的な症例の約80~90%は高齢者もしくは基礎疾患のある患者のいずれかであると述べました。

該当者(高齢者や深刻な基礎疾患を患う人)ができることとしては、人混みを避けたり、できるかぎり自宅に留まることだと、彼は言いました。

59歳のワン教授は、1月中旬に武漢から戻った後、自主的に自宅待機を行ったと言います。


4.    パンデミックになりそうですか?

メディア報道では、専門家がコロナウイルスの蔓延はますますパンデミックに近づいていると述べているとの引用がされています。
パンデミックは、疾患が国全体もしくは世界中に蔓延する状態を指します。

「まだはっきりとはわかりません。2019年の新型コロナウイルスはサーズよりもはるかに抑制が困難ですが、今回中国が行った蔓延抑制対策は過去最大の規模で実施されています。」と、スー教授は話しました。

「ウイルスの流行が最終的に抑制できたとしても、(9か月で抑制された)サーズよりもはるかに長い期間を要する可能性があります。1年以内またはそれ以上かけてでも市販の有効なワクチンができれば、それが最も効果的です。」


5.    このコロナウイルスは、気温が高くなるにつれて弱体化しますか?

寒い気候ではウイルスが広がりやすいという話があります。

スー教授は、空気が冷たく乾燥しているとインフルエンザウイルスやヒトコロナウイルスが拡大しやすくなるため、これが通常毎年冬にインフルエンザシーズンが重なる理由だと述べています。

「新型ウイルスについては確実なことがわかりませんが、他のウイルスと同様である可能性は考えられます。」と彼は言います。

ですが、彼は次のように付け加えています。
「シンガポールは熱帯気候で冬はありませんが、インフルエンザは通年発生しています。」

出典 2020年2月5日更新 asia one『Coronavirus: Can touching a doorknob lead to infection? Experts weigh in on this and other questions』(2020年2月10日に利用)
https://www.asiaone.com/singapore/coronavirus-can-touching-doorknob-lead-infection-experts-weigh-and...