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オピエード剤のない麻酔薬があれば、乳癌患者は手術後に鎮痛薬の必要性が減少

Euroanaesthesia 2016(5月27日~30日 ロンドン)で発表された新しい研究では、乳癌の手術を受けた患者は、オピオイド薬のない麻酔薬を投与されていた場合、手術後に鎮痛薬を受ける必要が減少したことを示しています。
研究では、ベルギーブリュッセルにあるジュール・ボルデ研究所のサラ  サクサナ博士と博士のグループによるものです。

オピオイド薬は手術全体を通じて優れた鎮痛効果を提供しますが、それらはまた、副作用をも有します。
呼吸低下、術後の悪心、嘔吐、かゆみ、排便困難、そして腸閉塞などは術後の合併症として、良く知られた副作用の例です。

この研究では、患者がオピエート麻酔と非アヘン麻酔を受けた後に、鎮痛剤の必要条件を検討しました。
無作為化比較試験では、乳房切除術または腫瘍摘出手術を受けた33人の乳癌患者を2つのグループに分け、実施しました。
研究は、ブリュッセルのジュール・ボルデ研究所で、2014年9月から2015年7月の間に行われました。

周術期の非オピエート鎮痛法は、クロニジン(0.2mcg/kg)、ケタミン(0.3mg/ kg)およびリドカイン(1.5mg/kg)を組み合わせることによって得ました。
必要に応じて、ケタミン(0.2mg / kg)を余分に、ボーラス投与されました。
オピエート無痛法では、レミフェンタニルの注入、ケタミン(0.3mg/ kg)およびリドカイン(1.5mg/kg)の組み合わせにて行なわれました。
両方のグループは、静脈内パラセタモール(1000mg/ 6H)および静脈内ジクロフェナク(75mg/ 12H)を受けました。
患者は、突出痛にそなえ、最初の24時間後に作動するPCA(患者管理無痛法)ポンプを受け取りました。

(患者の制御ポンプを介しての)臨床的特徴と、術後ピリトラミドの鎮痛剤の消費量は、術後、最初の24時間で評価されました。
データは、非オピエート剤群では2人の患者が完了しませんでした。したがって、64人の患者の合計を研究に含めました。
24時間後の総平均ピリトラミド使用量は、非オピエート群では8.1mg(2.0~14.5の範囲)、13.1mg(6.0~16.0の範囲)で、観察された差は統計学的に有意でした。

サクサナ博士の結論として、「我々の結果は、非オピエート剤群の患者が鎮痛剤の必要性が少ないが十分に痛みの軽減を受けていることを示しています。患者は、オピエート麻酔を受けた後よりも、非オピエート麻酔を受けた後の方が鎮痛薬の必要性が少なくなります。」

彼女は次のように追加します。
「この研究は、このタイプのアプローチでの興味深い利益を、さらなる研究で確認する必要があることを示しています。
乳癌手術において、非オピエート麻酔は、術後の悪心・嘔吐などのいくつかのアヘン剤に関連する副作用を回避する可能性があります。
それはまた、癌の再発を減らすかもしれません。
しかし、すべての乳癌患者に非アヘン麻酔をお勧めするのは時期尚早であると思います。我々は、我々の知見を確認し、拡張するためにさらに研究を行うつもりです。」

(記事元)http://medicalxpress.com/news/2016-05-patients-require-painkilling-medication-breast-cancer.html