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ウォーキングが、特に女性の心不全リスクを低下させる?

バッファロー大学の新しい研究では、より多く歩くことにより高齢女性の心不全リスクが有意に減少することが示されました。
研究者によると、これらの関連性が報告されたのは、本研究が初めてであるとのことです。

この研究結果は、9月5日、米国心臓病学会(American College of Cardiology)、心不全のジャーナルに掲載されました。

これは、身体活動の増加と心不全の2種類のサブタイプ(駆出率の低下もしくは駆出率の保持を伴う心不全)のリスク低下の関連性を示す最初の研究であると言われています。
前者は予後不良に関連付けられますが、後者は高齢者、特に女性や人種的マイノリティグループにおいて一般的です。

駆出率が保持された心不全は、心臓発作の発症歴が無く、高血圧や糖尿病歴を患う人に起こりやすい傾向にあります。

研究の指導的立案者であり、バッファロー大学健康衛生学部疫学の准教授であるマイケル・ラ・モンテ氏は、以下のように述べています。
「心筋は多かれ少なかれ摩耗し、ポンプ効率が落ちますが、駆出率の低下が見られるのは稀です。」

研究チームは、 ウーマンズヘルスイニシアティブ(WHI)に参加した137,000名以上の閉経後の女性のデータを、自己報告の身体活動も含め調査しました。
その後、心不全の2種類のサブタイプいずれかを患う35,272名の女性に絞り込み、調査が行われました。

調査結果は歩行数や身体活動の増加が心不全リスクを低下させることを示し、これらの強い関連性を明らかにしました。
身体活動の激しさ(軽度、中程度、または強度)に強い関連性は見られませんでしたが、研究者は身体活動の量が重要であることを見出しました。

開始時に身体活動報告が無かった被験者と比較すると、毎日の身体活動が30分から45分増加する毎に、駆出率が保持された心不全患者では8%、駆出率の低下した心不全患者では10%、全体では9%の心不全リスク低下が見られました。

研究者らは、心臓発作は心不全の診断に先立って発症することを説明し、これにより結果の偏りを防ぎました。
ラ・モンテ氏は、次のように続けました。「我々はまた、の変化を調査した際、身体活動と心不全進行の保護的関係は、時間の経過に伴う身体活動レベルの変化を調べた際にも保持されていることを確認しました。」

ウォーキングは高齢者にとって最も一般的な身体活動であるため、この保護効果は多くの関連性を有します。
未来を念頭に置くと、米国の60歳以上の人口は2035年までに倍増し、さらに女性が男性の数を上回るとの予測も注目に値します。

60歳以降発生する治療費や心不全リスクの上昇を考慮し、ラ・モンテ氏は以下のように述べています。
「身体活動の増加、特にウォーキングの推進により心不全の進行を予防できる可能性は、晩年、高齢化社会における心不全による全体的負担に重大な影響を与える可能性があります。」

Medical Daily, 2018年9月5日
https://www.medicaldaily.com/walking-could-lower-heart-failure-risk-especially-women-427315