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アルツハイマー病リスクにつながる、昼間の過度な眠気

日中に過度に眠くなり、定期的に仮眠を取る傾向にある成人は、日中の眠気を経験しない人に比べて、アルツハイマー病リスクが高くなります。

「認知能力の正常な成人の日中の過度の眠気や仮眠: PIB-PET検査で測定されたその後のアミロイド沈着との関連性」というタイトルの研究が、最近のSLEEPジャーナルにて掲載されました。

メリーランド州にあるジョンズホプキンス大学公衆衛生学部精神保健学科の准教授であるアダム・P・スピラは、次のように述べています。
「睡眠障害がアルツハイマー病の一因となるとすれば、睡眠障害患者が迎え得るこうした好ましくない結果をを回避するための治療ができるかもしれません。」

スピラと彼の共同研究者は、958年に開始した長期研究である老齢化神経画像サブスタディのボルチモア縦断研究の100名以上の成人のデータを調べました。
36歳から82歳の被験者は、睡眠習慣に関するアンケートを記入した後、PET検査を受けました。

アンケートで被験者は、日中しばしば眠気を感じたり、意思に反して眠ってしまうことがあるかどうかが問われました。
また昼寝の頻度について、めったにない/全くない、週1~2回、週3~5回、毎日の4つの選択肢から選ぶよう求められました。

この調査では、日中に過度の眠気を感じると報告した人の脳内には、ベータアミロイドと呼ばれるタンパク質の沈着がある確率が3倍近く高いことが明らかになりました。
専門家の間では、このタンパク質がアルツハイマー病に関連し、沈着の増加により病状が悪化すると長い間信じられていました。

スピラはまた、次のように説明しました。「食事や運動、認知活動などの要素は、アルツハイマー病の予防において重要な潜在的標的として広く認識されてきましたが、
睡眠に関してはあまり認識がされてきませんでした。しかし、こうした現状は今後大いに変化する可能性があります。」

この発見によりまた真実に一歩近づきましたが、日中の眠気がベータアミロイドの蓄積を引き起こしたのか、もしくはベータアミロイドの蓄積により眠気が引き起こされたのかは未だ分かっていません。
マウスを用いたこれまでの研究では、こうした形成を増加させる要因は不眠であることが確認されていました。
しかし、この要因が人間にも当てはまるかどうかを理解するためには、さらなる研究が必要です。

こうした明らかな証拠に基づいて考えると、睡眠は改善可能な危険因子であると見ることができるかもしれません。
不眠症やシフト勤務による睡眠障害、うつ病、閉塞性睡眠時無呼吸症、ホルモン不均衡などを対象とした医療介入が優先されます。

スピラは、次のように述べています。「現状アルツハイマー病の治療方法は無いので、予防に最善を尽くす必要があります。もし今後治療法が発達したとしても、予防戦略が重視されなければなりません。」
「睡眠を優先させることが、病気の予防、もしくは進行を遅らせる一つの手立てになるかもしれません。」

Medical Daily, 2018年9月10日
https://www.medicaldaily.com/feeling-very-sleepy-during-daytime-linked-alzheimers-risk-427384