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アルツハイマー病:疾患の初期段階における「有望な」血液検査

米国とスウェーデンで行われた研究では、血液検査によって、症状が現れる前の、最も初期の段階のアルツハイマー病を検出できる可能性があることが示唆されました。

この検査では、疾患があると上昇する微量のタンパク質を探します。

研究者らは、このタンパク質(p-tau217)を測定することで、アルツハイマー型認知症を、96%の精度で予測できることを発見しました。

専門家らは、より多くの研究を行うことで、医師が患者に提供できるような試験に発展できる可能性があると述べています。

現状アルツハイマー病は、既に症状が現れた後、記憶テストと脳スキャンの組み合わせを用いて診断されています。

認知症の血液検査は新しい考えではありませんが、これら2つの新しい研究では、アルツハイマー病に関連するタンパク質を用いることで、これまでよりもはるかに初期の段階で人々の診断を行うことができる可能性があることが、明確に示されました。

早期に診断を受けることで、疾患を治療する機会を増やすことができるため、これは重要です。

Alzheimer's Research UKの研究責任者であるローザ・サンチョ博士は、以前の薬物の臨床試験は、参加した患者の疾患が進行しすぎており、試験を実施する頃には「手遅れ」であったため、失敗したと話しています。

彼女は次のように話します。
「これらの患者の脳には、ダメージを受けたタンパク質が既に蓄積しすぎていました。」

アルツハイマー病は、脳の神経細胞感の接続を破壊することで、記憶やその他認知能力を損傷します。

そしてタンパク質が脳に蓄積し、細胞を死滅させます。
サンチョ博士は、薬物が病気の予防に役立つかどうかを確認するため、脳に過度の損傷が加わる前に、診断を受ける必要があると言います。
彼女は、血液検査による早期発見は「直ぐに病院で使われるようにはなりそうもない」ものの、これから研究目的で利用可能になると話しています。

すなわち、症状のないアルツハイマー病の家族歴のある症状のない人を特定し、薬物試験に参加できる可能性があるということです。

これにより、この様な患者やその他の人々が、将来治療の恩恵を受けることができるようになる道が開けます。

出典 2020年7月29日更新 BBC Health『Alzheimer's: 'Promising' blood test for early stage of disease』 (2020年7月30日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-53567486