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がん患者の発熱を真剣に捉える必要がある理由

発熱があると必ずしも医者にかからなくてはならないということはありません。
しかしがん患者の場合、倦怠感や痛みを伴う発熱は、感染症の発症を意味する可能性があり、緊急治療室で診察を受ける必要があります。

がんやがん治療によって免疫が損なわれると、ありふれた病気でさえも回復が難しくなります。
そして、一部の病気は命に関わることさえもあり得ます。

ですので、がん治療を受けている期間、発熱や悪寒、腹痛、咳などの感染兆候が見られる場合は、特別な注意が必要です。

もしそのような兆候が見られたら、以下を実行してください。

1.
腫瘍内科医に直ちに連絡してください。(特に体温が華氏100.5度(約摂氏38度)以上の場合)

2.
腫瘍内科医から指示された場合は、緊急治療室へ向かいます。

3.
がん治療を受けていることを明確に示してください。



<救急治療室で治療を受ける必要がある可能性のある症状>

一部の症状は、その他症状よりも迅速な対応を要します。
痛みや脱力感、息切れ、嘔吐、下痢の症状がある場合は、病院へ向かいましょう。

「観察が必要と判断された場合、入院する必要があります。」と、救急医療ディレクターのトム。ウォーターズ医師は述べています。
「確認しないことには、その人の具合の悪さを測ることはできません。」

しかし、紛れもなく病院での治療を必要とする症状が1つあります。
それは、発熱です。
化学療法を受けるがん患者は皆、体温が華氏100.5度(約摂氏38度)以上に上昇した場合、直ちに対応する必要があります。


<発熱、重篤な症状>

化学療法は、白血球数や好中球の減少を引き起こすことが多々あります。
このことで、患者の体は感染症への抵抗力が低下します。
好中球減少性発熱は化学療法を受けている患者によく見られ、多くの場合感染症の発症を示しています。
免疫系が低下した患者の場合、合併症を引き起こす前に、直ちに感染症を治療する必要があります。

「化学療法を受ける患者の約5〜25%が好中球減少症を発症します。」と、血液学者および腫瘍学者であるオメール・コック医師は述べています。
「化学療法がより強力であるほど、リスクは高くなります。年齢やその他の基礎疾患も影響します。」


<好中球減少性発熱の治療>

ウォーターズ博士によると、発熱やその他緊急事態に陥ったがん患者は、直ちに腫瘍内科医に連絡する必要があるといいます。
腫瘍内科医は、患者が直接救急治療室へ行くべきか、それとも診療所に行くべきかを決定します。

患者が救急治療室へ行く場合は、がん治療を受けていることを明確に示す必要があります。
それにより、重症度判定検査方法が変わるためです。

「発熱と咳があるものの健康状態の良い患者は、インフルエンザのスワブ検査や喉のスワブ検査、または胸部X線を受けることとなる可能性があります。」とウォーターズ医師は言います。
「私たちは通常、患者にアセトアミノフェンを与え、自宅に送って休ませます。しかし、がん患者に同じ症状がある場合は、感染源を見つけるために、より厳密な検査が必要になります。」

同氏は、患者の血液中や尿中の細菌を検査する間、新たな感染症の発症を防ぐため、がん患者を隔離する必要があると言います。

「抗生物質の投与を直ちに開始し、発熱原因が特定されるまで続けます。感染していないことがわかり次第、抗生物質の投与が中止されます。」と、彼は説明しています。

発熱を伴うがん患者にとって特に重要なことは、直ちに医師の診察を受けることです。

出典 2020年7月1日更新 health essentials『Why Cancer Patients Should Take Fevers Seriously』 (2020年7月2日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/why-cancer-patients-should-take-fevers-seriously/