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JapanRx / 「更年期症状」と「更年期障害」の違いについて

「更年期症状」と「更年期障害」の違いについて

なぜ女性は閉経前後に更年期の症状が出るでしょうか。それは卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)と密接な関わりがあります。

加齢とともに卵巣の働きが衰え、エストロゲンの作られる量が減ってくると、これを回復させようと、脳は「エストロゲンを出しなさい」と卵巣に命令(卵巣を刺激するホルモン)を出します。しかし、卵巣にいくら命令を出しても、卵巣からの応答(エストロゲン分泌)はなく、脳は盛んに命令を出し続けます。こうした脳と卵巣との「命令・応答バランスの崩れ」は非常に不安定な状態で、卵巣以外の機能にも影響が出てきてしまうのです。その結果として、自律神経のアンバランスなどが生じ、さまざまな症状が引きこされます。

閉経をはさんだ前後10年ほどの間に、見られる以下のような症状を、「更年期症状」と呼びます。

*自律神経の失調によるもの
ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)、冷え、動悸・息切れ、めまい、耳鳴りなど

*精神的な症状
憂うつ感、不安感、不眠、イライラ、意欲がわかないなど

*その他の症状
関節痛や筋肉痛、食欲不振・悪心・嘔吐、下痢、腹痛、性交痛、皮膚のかゆみなど

これらの症状の出方は個人差が大きく、症状が強く出る人もいれば、ほとんど出ない人もいます。そして、症状がひどく、日常生活に支障をきたすほどの場合を「更年期障害」と言います。

[40代になったら知っておきたいHRT]

HRTとは“ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy)”の略称で、更年期に減りはじめる女性ホルモン(エストロゲン)を薬で補い、更年期のさまざまな症状を和らげるという治療法です。薬には飲み薬や貼り薬、ジェル剤があります。

医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(キューライフ)が2014年に行った、40~50代のHRTを現在受けている、 受けたことがあるという女性500名を対象にしたアンケート調査では、7割以上の患者がHRTを始めて、症状が「改善」「やや改善」したという報告があります。

しかし、薬を使うことで気になるのが副作用の問題ですよね。HRTを始めた頃に感じるのが、不正出血や乳房・下腹部のハリ感、吐き気、むくみなどですが、ほとんどのものは続けているうちに症状がなくなったり、薬を変えることで治まります。

HRTの治療は、婦人科や更年期外来などが窓口になります。
仕事や家事、子育てと、忙しいなかでの「不調」は、放っておくとさらなるストレスとなって、精神を害します。副作用がまったくないわけではありませんが、場合によっては漢方薬や抗うつ剤・安定剤などで治療を進める場合もあります。医師とよく相談し、自分に合った治療の仕方を見つけましょう。

また、こうした変化への気づきが、40代では女性特有のほかの疾患(乳がんや子宮系の病気)の発見につながることがあります。「おかしいな」と思うところがある場合は、「定期検診を受けているから大丈夫」と判断せず、診察を受けることが大切です。

記事元:http://mocosuku.com/