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月経前不快気分障害(PMDD)-治療効果の検証

月経前不快気分障害(PMDD)-治療効果の検証

月経前不快気分障害(PMDD)は、多くの女性の生活に、大きな混乱を引き起こす月経前症候群(PMS)の重症型です。その治療には多くの選択肢がありますが、いったいどれが最も効果的なのでしょうか?

特定の治療ガイドラインを含む証拠についての包括的な検証レビューが、『精神科医療ジャーナル』の9月号に掲載されています。

「PMDDに関係する衰弱症状とその影響を考えると、医療専門家がPMDD患者を識別し、効果的にPMDD患者を治療することができるようにする必要があります。」と、テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのシャリニ マハラジ博士およびケネス・トレビノ博士は記しています。
臨床意思決定の助けとして、彼らはPMDDのために提案された治療の安全性と有効性について徹底的な検証を行いました。

*PMDDの治療-(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)SSRIが最初の選択肢。しかし、他の選択肢も存在。

閉経前の女性の約3〜8%がPMDDに苦しんでいます。
月経前に感情的、身体的症状の組み合わせで発生する月経前症候群の重症型は、家庭、仕事、社会生活の中で深刻な障害を引き起こします。
重度のPMDDの症状はまた、自殺念慮を起こす可能性があり、研究によるとPMDDの女性の15%が少なくとも1度、自殺未遂を試みていると報告されています。

彼らの検証によると、マハラジ博士とトレビノ博士は、PMDDの治療について、精神系、無排卵系、サプリメント系、ハーブ系、非薬理学系に分類しました。PMDDの原因は完全に理解されていませんが、ある要因には、セロトニンを含む特定の神経伝達物質のホルモンのレベルを変化させることによる負の効果であると思われます。

これは抗うつ薬として広く使用されているクラスに属するセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)が選択的に、また、迅速に対応を示すという研究が支持されています。

約4400人の女性を含んだ31件のランダム化試験の結果に基づき、SSRIがPMDDのための『第一線治療』と考えられています。
SSRIによる治療は、連続半断続的、または症状の開始時に投与することができますが、有効性と副作用の間の最適なバランスを考慮しつつこれらの治療スケジュールを決定するために更なる研究が必要とされています。

また、SSRIでの治療が合わなかった女性のために、他の治療の選択肢も考慮されるべきです。
抗不安薬のいくつかは、特定のPMDDに関連した症状を管理するためには有用で、抗うつ薬の別の種類は、PMDDの治療に有用です。
ドロスピレノン/エチニルエストラジオールを含有する経口避妊薬はまた、避妊を希望するPMDDの女性のための、効果的かつ推奨される治療の選択肢です。

これらの治療がうまくいかなかった場合には、閉経の状態になる卵巣ホルモンの産生を減少させる無排卵治療という選択があります。しかし、潜在的な副作用および高コストということもあり、これらは『第3の選択肢』と考えられています。

様々なサプリメントやハーブ関連の治療が、それを正当化するためのさらなる研究により、同様に提案されています。
しかしながら、これまでのところは、カルシウム剤の補給が、唯一、一貫した治療効果を示しています。

マハラジ博士とトレビノ博士はPMDDのための潜在的な治療のより大きなプラセボ対照研究を呼び掛けています。

こういった研究ではPMDDのための一貫性の定義と診断を確認するために、プラセボスクリーニング期間をもうける必要があります。

また、著者らは別の評価項目を使用したPMDDの研究での結果とを比較するのには、難しさがあるため、PMDD研究における標準化された評価項目を採用する必要があることを強調しています。

出典:http://medicalxpress.com/news/2015-09