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メトホルミンは肥満の妊婦さんの高血圧、体重増加のくいとめに効果

メトホルミンは肥満の妊婦さんの高血圧、体重増加のくいとめに効果

2016年2月3日のHealthDayニュースによると妊娠中の肥満女性を糖尿病治療薬メトホルミンが救うかもしれないという、新しい試みが始まりました。
しかし、New England Journal of Medicine誌に2月4日に報告された研究では、メトホルミンが肥 満女性から生まれた赤ちゃんが巨大化するリスクは抑えられないと追加しています。

一方、英国の研究者によると、メトホルミンは妊娠中の女性自身の体重増加を制御するのには役立つことがわかりました。
そして、それにより、子癇前症と呼ばれる潜在的に危険な合併症のリスクを大幅に削減することができます。
「これらの調査結果により、こういった女性に対してのメトホルミンの潜在的な利点をいくつか明るみになります。」 と、ヒューストンのテキサス健康マクガバン大学医学部の産婦人科の准教授であるジェリー リフレッゾ博士は述べました。
研究には関与していませんが、リフレッゾ博士によれば、今のところは食事と運動が妊娠中の肥満管理には主力のままです。
しかし、彼女は研究者が、メトホルミンの可能な役割を見ておくべきであると述べました。

メトホルミンは、慢性的に血糖と血糖値を調節するホルモンであるインシュリンの高レベルを引き起こす2型糖尿病を抑制するのに使用される経口薬です。
メトホルミンはまた、時々、妊娠糖尿病を発症した女性に与えられています。
妊娠糖尿病の主な懸念の一つは、胎児が大きくなりすぎてしまい難産になったり、帝王切開が必要となってしまうことです。
米国立健康研究所によると、出生後の新生児も潜在的に低血糖のリスクが増加します。

しかし、肥満妊婦から生まれた新生児は、糖尿病でなくても多くの場合、巨大化します。
それは、彼女達の血糖値とインスリン値が上昇しているためかもしれません。 しかし、糖尿病と診断されるほど高くはないのです。と、この新しい研究の上級研究員であるハッサン シェハタ博士は説明しました。
彼は、ロンドンにあるエプソム&セントヘリア大学病院の産婦人科医です。

そのため試験に入るにあたり、シェハタ博士のチームは、メトホルミンが肥満ママから巨大児が生まれる確率を下げることを期待していましたが、それはわかりませんでした。

胎児医学財団によって資金供託を受けた試験では、妊娠12週から18週の間にいる450名の英国人女性が含まれていました。
全員がBMIが35以上の重度の肥満でした。このうち、半数はランダムにメトホルミンを毎日の3g服用するように割り当てられ、残りの半数はプラセボ錠剤を服用しました。

メトホルミン与えられた女性のうち、ほぼ17%の赤ちゃんが巨大児でした。プラセポを与えられた女性の15%と比較しても、わずかにそれを超えるものでした。赤ちゃんの出生体重は、少なくとも90パーセンタイルだったことを意味しています。

シェハタ博士によると、それでもメトホルミンは女性の体重増加を抑制したといえます。
プラセボの使用者よりも体重の増加が約4ポンド(約1.8kgs)低かったのです。
*専門家は肥満女性が妊娠中に増やせる体重は、11〜20ポンド(5~9Kg)までとしています。

メトホルミンを服用した妊婦は、また、プラセボを服用した妊婦が11%だったのに対し、3%と、子癇前症のリスクは実質的に低かったのです。
妊娠20週後に発生する子癇前症は、高血圧や他の兆候により特徴づけられる、腎臓や肝臓などの臓器の機能異常です。
これは、早産や低出生体重を引き起こす可能性があり、発作や昏睡といった女性のリスクを高める可能性があります。
「子癇前症は、重篤な妊娠合併症の一つであり、私達はその発生率を何十年も下げようとしてきました。」と、シェハタ博士は述べました。

ただこの利益は本物か偶然によるものであったかどうかを判断するための試験では十分な女性はありませんでした。彼は、この研究はメトホルミンが、子癇前症のリスクを下げることを証明するだけのパワーがなかったと警告しました。
しかし、彼のチームはその回答を得ることを目的とし、今後の研究を実行したいと考えていると述べました。

リフレッゾ博士によると、女性の体重と子癇前症のリスクに対する薬物の効果は、最近脚光を浴びた別の試験において、「印象的」でした。
昨年発表されたこの研究では、メトホルミンは、肥満でも、糖尿病でなかった女性にはメリットがなかったことが示唆されました。
この最新の研究で、リフレッゾ博士は、女性が与えられたメトホルミン投与量が高い人ほど投薬がくせになる可能性が高かった、と述べました。
また、メトホルミンの服用は、胃の痛み、吐き気や嘔吐など一般的な副作用が発生し薬の継続服用が困難になると指摘しています。

しかし、シェハタ博士によると、メトホルミンは長い間、妊娠糖尿病の女性に使用されてきており、それが先天性欠損のリスクを及ぼすという証拠はありません。
イギリスの妊婦の20​​%が肥満であると推定されています。と、シェハタ博士は指摘しました。
この数字は、米国では三分の一程度です。

出典:http://consumer.healthday.com/