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JapanRx / PrEPの主な障害物とHIV / AIDSの終結に高い望み

PrEPの主な障害物とHIV / AIDSの終結に高い望み

HIV感染の発生率は10年間ほとんど安定していますが、専門家によると、現在入手が可能な薬が、最も感染の危険がある人、特に黒人やヒスパニック系のゲイやバイセクシュアルの男性が利用した場合、新しい感染の数は劇的に減少する可能性があります。

いくつかの論文では「終焉」「エイズの流行」といった言葉を入れている人もいます。

「今のところ治療法がなくても、現在の時点で流行を終わらせるためのツールはあります。」

と、オハイオ州コロンバスにあるNationwide Children's Hospitalのファミリーエイズクリニックの医師で教育サービスプログラムの医療ディレクターであるカルロス・マルベストット博士は言います。

すでにHIVに感染している人の場合、抗レトロウイルス療法はウイルスを非常に低いレベルに抑えることができるためウイルス感染させることはありません。

しかし、政府や公衆衛生当局と製薬業界は、おそらくHIV / AIDSの蔓延を食い止めるための最も強力な武器として、曝露前予防(PrEP)について議論しています。

それは、抗ウイルス薬を組み合わせて、ウイルスにさらされている人のHIV感染を防ぐ毎日服用する錠剤として構成されています。

この国(アメリカ)では、2つの抗ウイルス薬、エムトリシタビンとフマル酸テノホビルジソプロキシルの配合薬であるギリアド社のツルバダ(Truvada)がPrEP市場を作りました。

10月、FDAはPrEP用に別のギリアド社の製品であるデシコビ(Descovy)を承認しました。

 デシコビはテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を、テノホビルアラフェナミドに置き換えたもので、腎臓病や骨粗鬆症の人にはトルバダよりも有利な場合があります。

PrEPがHIV感染を防ぐことができるということは間違いありません。

 PrEPの入手は、大都市での新規感染率の大幅な削減にすでに役立っています。

「しかし、PrEPはそれを最も必要とする人々に届きません。実証済みである治療介入を拡大することはできませんでした。」

と、研究に資金を提供している著名なHIV / AIDS擁護団体であるエイズ研究財団(AIDS Research Foundation)の公共政策担当副社長兼ディレクターであるグレッグ・ミレット氏は述べています。

問題のひとつは、この病気を汚名ととらえている、特に最もリスクの高い人口集団や、南部の一部では、新たな感染率が最も高い地域があります。

 HIV検査が提供されることはありますが、「彼らはむしろ知りたがらない」と彼は言いいます。

彼らは、HIV陽性であるという言葉が広まった場合に、それが何を意味するのかを懸念しているのです。

ピッツバーグにあるデュケイン大学の健康科学の学部長であるブリジット・カルホーン氏は、一部の医療機関が「危険な行動を奨励したくない」という理由で、PrEPの処方には抵抗があると述べています。

国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は、iPrExと呼ばれる2010年の臨床試験をサポートしていました。

これは、PrEPの有効性を確立した最初の試験です。

 ツルバタを毎日使用することで、男性とセックスをした男性のHIV感染のリスクが低下することがわかりました。

毎日この薬を服用した人の場合、HIVに感染するリスクはプラセボ群の人よりも92%低くなりました。

しかし、主な課題は、参加者に毎日薬を服用させるということでした。

全体として、多くの人が定期的に薬を服用できなかったため、リスクの減少は44%にとどまりました。

アドヒアランス(服用遵守)といった課題があるため、NIAIDは長時間作用型のPrEPを見つけるための研究を支援しています。

患者は、医療提供者への不信から健康保険の適用範囲の不足、リスクのあるグループの疎外に至るまで、相互に関連するさまざまな理由から、PrEPの使用には消極的です。

 「健康保険の使用が安定しなければ、PrEPの使用機会は失われます。」

とミレット氏は言います。

そして、あらゆる種類の予防方法が強引に売られています。それは、起こらないかもしれない感染症や病気を防ぐために、PrEPの場合であれば、毎日ピルを服用といった毎日の作業が求められるのです。

一方で、オピオイドの流行は、薬物を注射している人々の新しい波を生み出したとミレット氏は言います。

静脈内注入(IV) による薬物の使用と針の共有はHIVの感染経路の1つです。

最近の、ウェストバージニア州農村部でのHIV感染の発生は、汚染された針を共有する薬物使用者と関連しています。

 マルベストット博士は、PrEPがIV薬物使用者に日常的に提供されることはないと述べています。

 

大きな人種格差

費用もPrEPの受け入れの障害となっています。ツルバタの定価は年間20,000 USドル(約217万円 : 2020年1月レート換算) 以上ですが、多くの場合、割引やリベートがあるため、実際の支払額ははるかに安いようです。

ジェネリック版の医薬品はアフリカで年間約60ドル(約6,500円)で販売されているため、ギリアド社は批判にさらされています。

いくつかの会社がツルバタのジェネリック版を米国へ導入しようとしましたが、ギリアド社は訴訟を起こし、すべての事件は秘密裏に和解で終わっています。

この春、ギリアド社は来年ツルバタのジェネリック版が利用可能になると発表しました。

同社はまた、保険が不足している人のために、CDCに毎年1か月分のツルバタの供給を含む最大240万本のボトルを寄付すると発表しました。

昨年、CDCの研究者は、2016年にHIV感染のリスクが高い110万人のアメリカ人のうち、PrEPを処方されたのは7%にすぎないことを示す研究結果を報告しました。

おそらくその割合は増加しており、ギリアド社は、200,000人のアメリカ人がPrEPの目的でツルバタを服用していると述べています。それでも、PrEPから利益を得られる可能性のあるアメリカ人の大多数はそれを享受していません。

CDCの研究者はまた、PrEPに関する別の問題について強調しました。

それは、処方パターンの明白な人種差です。黒人の男性と女性は、PrEPが適応となる可能性のあるアメリカ人の約40%を占めていますが、処方箋が出されているアメリカの黒人はわずか11%です。

連邦および州レベルによる政府の行動は、PrEPのより広範な受け入れを促進する可能性があります。

 6月、米国予防サービス特別調査委員会(USPSTF , the U.S. Preventive Services Task Force)は15歳から65歳までのすべての人に対してHIVスクリーニングを推奨しました。

その推奨の一部は、HIVに感染するリスクが高い人にPrEPを処方するということです。

これはUSPSTFの推奨事項であるため、医療保険制度改革(ACA)の元では、民間健康保険では2021年までに自己負担なしでPrEPの供給を行う必要があります。

カリフォルニア州では、ガビン・ニューサム知事が先月、特別な訓練を受けた薬剤師が処方箋なしでPrEPを調剤することを認める法案に署名しました。

 

今年の一般教書演説で、ドナルド・トランプ大統領は10年以内にHIVの流行を根絶する目標を発表しました。

その取り組みには、PrEPを使用して新しい感染を防ぐことが含まれています。

初期段階では、新規診断の半数以上を占める国内の地域、特に農村部との不均衡な症例数を抱える都市部と南部に焦点を当てています。

 

【以下のリンクより引用】

High Hopes, Major Obstacles for PrEP and Ending HIV/AIDS as We’ve Known It

MANAGED Care